「街道をゆく」といえば、諸街道を歩きながら、そこにゆかりのある歴史上の人物にふれるということが多いと思いますが、その中では、異色の1巻といえるでしょうか。
今回の訪問地は、奈良県と和歌山県の境を貫く十津川街道。ここは、峻険が多く、江戸日本までの経済の中心をなした米が取れないことから、免税特権が与えられ、時々の政権から見捨てられた、逆に、土地の人々からいえば独立を勝ち得たといえる土地。
この政権に置いてきぼりにされたという稀有な性格から生じる、地元の人々の気質、あるいは、人里離れているということから生まれた歴史上の事件を紹介してくれます。要は「人物」ではなく、「土地」が主人公の1巻といえるでしょうか。
中でも、人々の気質が面白く、やはり、生まれついた土地の影響の大きさを改めて感じさせてくれる1冊です。是非、十津川を訪ねてみたくなりました。