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1 人中、1人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
新装版ならではの魅力もあります!,
By 歩 (東京都世田谷区) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 街道をゆく 1 湖西のみち、甲州街道、長州路ほか (朝日文庫) (文庫)
今年の夏から毎月4冊づつ新装文庫版『街道をゆく』が刊行されていますが、私はこの新装版に大変好感を持ちました。それまでの『街道をゆく』のカバーはタイトルと土地の写真で構成されていましたが、新装版は同じ写真ではありますが、すべて一面「空」の写真へと一新。その軽やかで明るいイメージをとても新鮮に感じました。それまで司馬さんの本を読んだことがなかった、例えば中学生、高校生でも手に取るかもしれないな、と思ったくらいです。読者層が広がる可能性がおおいにある、意欲的な試みなのではないでしょうか。表紙の写真を「空」に変えたことで、タイトル文字がくっきりと浮かび上がってくる点も興味深いです。司馬さんのお名前と、旅をされた場所の地名。行ったことのある場所であれば自分が見た風景、出会った人々を思い出すし、まだの場所であれば、地名からさまざまな想像を膨らませることができます。空の下にある街道の風景は人それぞれ、読者の想像力をかき立ててくれる装丁というのもいいですよね。読む前のひとつの楽しみにもなると思います。(※また、空の写真を撮影した写真家も日本を代表する著名な方ばかり。クレジットが入っていますからぜひご覧になってください。こちらも楽しめると思います。) 新装するにあたって、表紙まわりだけでなく、本文の文字組みや振り仮名などにも工夫がなされていることに気がつきました。活字が大きくなっているし、振り仮名もかなり増えているようです。とりわけ読むのが難しい人名・地名にきちんと振り仮名が振られていることが何よりうれしい。このシリーズにおいて、固有名詞がいかに重要な要素であるかは、読んでいるとよく分かります。人名・地名が次から次へと出てきてその相関から話の道筋が出来ていく、膨らんでいく、そして次なる旅へとつながっていく。固有名詞を正確に読める、覚えられるだけでも『街道をゆく』への理解の深まりは随分違うような気がします。そこをおさえることができる新装版は、私にとっては有難いものでした。 司馬さんが最後まで心血を注いだ全43巻から成る不朽の名著『街道をゆく』。今後も刊行は続きます。皆さんも新装版を手に取って、ぜひとも読んでみてください。おすすめです!
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