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街道をゆく〈26〉嵯峨散歩、仙台・石巻 (朝日文庫)
 
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街道をゆく〈26〉嵯峨散歩、仙台・石巻 (朝日文庫) [文庫]

司馬 遼太郎
5つ星のうち 4.2  レビューをすべて見る (4件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

嵯峨野から仙台・石巻へ伝統に培われた歴史の道。

登録情報

  • 文庫: 275ページ
  • 出版社: 朝日新聞社 (1990/06)
  • ISBN-10: 4022606266
  • ISBN-13: 978-4022606266
  • 発売日: 1990/06
  • 商品の寸法: 14.6 x 10.6 x 1.4 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.2  レビューをすべて見る (4件のカスタマーレビュー)
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By bias トップ1000レビュアー VINE™ メンバー
形式:文庫
寝つけないときに司馬さんの『街道をゆく』を読むのは、あぶない。
つい読みふけって、睡眠時間をさらに短くする。
だが小説は今さらでも、このシリーズ、やはり恰好の枕頭の書には違いない。

中でも、『南蛮のみち』と『愛蘭土紀行』という2つの外国紀行を頂点とする
1980年代なかば発表の数冊はいずれも傑作で、何度も読みました。
その傑作群の中でも白眉なのが、この巻でしょう。

「京都」(古都の中の古都)と「仙台」(東北随一の都市)。
この、偶然なのか、仕組んだのか知りませんが、組み合わせも見事。
かたや、京都市街からやや離れた嵯峨周辺のうるわしさ、
こなた、古来都人からはみちのく統治の要であった仙台周辺とのコントラスト。
この2つの紀行が同じ1冊にあることで、それぞれが引き立てあって、
司馬さんのそれぞれの観察、行文が、いっそう読みばえがする。

特に「3.11」以降に、仙台そして石巻の章段を読むと、この地が古来
負ってきた艱難、それをはね除けてきた人知、豊饒すぎる自然環境、
一方で是非を超えた陋習、さらに、近代以降に見舞われた様々な運命……
それらが、故人である司馬さんは全く預かり知らぬことながら、あまりにも
いま現在と照応する事柄が多く、つい熟読してしまう。

「仙台」で登場する芭蕉、吉田松陰など、期待通りながら、大いにうなずく。
一方、同じ「仙台」における山片蟠桃や、「嵯峨」で登場する漱石などは、
一見唐突なようでいて、それぞれの土地柄や人情の特色を照射するのに
絶好の鏡の役割を果たしていて、やはり構成の上手さには舌を巻くしかない。

しかも、この「仙台」篇では、現役の著名人があまり頻繁に登場しない
このシリーズには珍しく、井上ひさし氏まで登場するから、豪華。
東北人(山形生まれ、仙台育ち)井上が、関西からの客人司馬をもてなす様子、
それを達意の文章で記した箇所は、客から主への社交の礼、という意味を
差し引いても、ご両人とも故人となった現在、まことに貴重。

歴史と社会と人間を見つめ、独創的な文業を残したこの二人(それぞれ
その何作かは、今や納得しかねる作品もありますが)が、いま生きていて、
敗戦以来とも言われるこの国の危機=「3.11」に接していたら、いったい、
どんなコトバを発しただろうか。
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千載古人の心 2010/12/23
By ともぱぱ 殿堂入りレビュアー トップ50レビュアー VINE™ メンバー
形式:文庫
街道をゆくシリーズは、やはり自分が訪れた土地の巻が楽しい。私にとって本巻がそうだ。嵯峨は関西在住時代に簡単にアクセスでき、何度も訪れた。例えば渡月橋。俗化された観光地の名所の一つにすぎなかったものが、本書に記されている、橋が架けられた由来や先人による工事の苦労を知ると、「願わくば渡月橋の寿命の永からんことを」という気持ちになってこの橋が急に愛おしく感じられるようになるから不思議だ。

仙台に関しては芭蕉のおくのほそ道の旅に触れるいくつかの章が好きだ。中でも芭蕉が多賀城碑に感動して「千載の記念、・・・泪も落るばかり也」と古人の心を思ったのは、私が著者の旅を追体験するのに相似する。芭蕉は仙台の地でこのような名文を残したのだから、松島で句を詠まなかったことを補って余りあると思う。

塩釜神社と御竃神社に私を導いてくれたのも本書のお陰。もっとも、私は御竃神社で竃の中を見せて下さいとお願いする勇気はなかったが。

著者は旅した土地を誉めるばかりではない。産物の豊かな仙台藩が江戸時代に雄飛できなかったこととその理由を指摘するが、これもその土地を愛するが故だろう。
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1 人中、1人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By Carouselambra VINE™ メンバー
形式:文庫
中学・高校時代を仙台、大学時代を京都で過ごした身として、
司馬氏の足跡が、正に筆者の生活していた時代と重なり、
懐かしく、かつ感慨深く読み進めることが出来ました。
(特に仙台の足跡の中では筆者の中学・高校時代の友人の
 お宅に司馬氏が訪問されていた下りがあり、非常に興味深く
 感慨を持って拝読いたしました)

嵯峨、嵐山の散歩からは、京都という都の成り立ちから、実は
欠かすことの出来ないある一族の話、仙台では伊達の時代から、魯迅在住時代、
そして現代までの歴史についての様々な思索を通じて、仙台という地域の
特異性を浮き彫りにしていく展開になっております。

いずれの思索からも、明治維新と言うものが、大きな歴史的な展開であったのは
自明のこととはいえ、本作に記された2ツの地域にそれぞれ大きな転換を齎せた
ことが、よかったのだか、悪かったのだか・・・・・・色々と考えさせられました。

ただ、仙台〜石巻を拝読した後、司馬氏の小品「惨殺」を読むと、非常に奥深く、
興味深く理解が進めることができました。
故郷忘じがたく候 (文春文庫)←に入っております。
また、魯迅のくだりでは、改めて「藤野先生」を読みたくなり、読んだところ、
感慨一入でした。→に入っています。阿Q正伝・藤野先生 (講談社文芸文庫)

街道をゆく、シリーズでも地味な存在ではありますが、様々な思考の展開を与えて
くれるし、司馬氏の作品の構成上のヒント(?)も与えてくれた、貴重な逸品では
ないでしょうか。
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