中学・高校時代を仙台、大学時代を京都で過ごした身として、
司馬氏の足跡が、正に筆者の生活していた時代と重なり、
懐かしく、かつ感慨深く読み進めることが出来ました。
(特に仙台の足跡の中では筆者の中学・高校時代の友人の
お宅に司馬氏が訪問されていた下りがあり、非常に興味深く
感慨を持って拝読いたしました)
嵯峨、嵐山の散歩からは、京都という都の成り立ちから、実は
欠かすことの出来ないある一族の話、仙台では伊達の時代から、魯迅在住時代、
そして現代までの歴史についての様々な思索を通じて、仙台という地域の
特異性を浮き彫りにしていく展開になっております。
いずれの思索からも、明治維新と言うものが、大きな歴史的な展開であったのは
自明のこととはいえ、本作に記された2ツの地域にそれぞれ大きな転換を齎せた
ことが、よかったのだか、悪かったのだか・・・・・・色々と考えさせられました。
ただ、仙台〜石巻を拝読した後、司馬氏の小品「惨殺」を読むと、非常に奥深く、
興味深く理解が進めることができました。
故郷忘じがたく候 (文春文庫)←に入っております。
また、魯迅のくだりでは、改めて「藤野先生」を読みたくなり、読んだところ、
感慨一入でした。→に入っています。
阿Q正伝・藤野先生 (講談社文芸文庫)街道をゆく、シリーズでも地味な存在ではありますが、様々な思考の展開を与えて
くれるし、司馬氏の作品の構成上のヒント(?)も与えてくれた、貴重な逸品では
ないでしょうか。