現役の(そして今春で選択定年なさるという)人気大学教授が、気の向くまま、ブログに大学を巡る折々の感想・見解・批判を述べ立て、それらを編集した主要部分に、文科省の役人との対談などをまぶした1冊。章建てにメリハリが窺え、特に東京から神戸の女子大に赴任して約20年というポジションにある著者の、縦横無尽・自由闊達なタッチの教育時評論集という体裁になっている。
ブログ掲載の折はともかく、1冊になると、不思議なことに、とりたてて「ここが面白い」「意表を突いて新しい」という箇所が見当たらなくなってくるが、身柄を拾ってもらった神戸女学院大学が好きで、「世の中が神戸女学院のようになればいいな、と思っている」(著者の近年のブログにあったくだり)というスタンスから、最近の国公私立大学の模様、および大学に足場を置いた身辺雑記を描いていて、飽きさせない書きぶりではある。日比谷高校と東大全共闘にいたことを、腰を引きつつ自慢するだけの第8章は、もうそろそろ「たいがいにして欲しい」とは思うけど。。。この点がうっとおしく、かつやっぱり全体の筆致に新鮮さがうかがえないので、☆は三つ。