おそらくあと数年のうちに、新聞やテレビという既成のメディアは深刻な危機に遭遇するでしょう。この危機的状況を生き延びることのできる人と、できない人の間にいま境界線が引かれつつあります。それはITリテラシーの有無とは本質的には関係ありません。コミュニケーションの本質について理解しているかどうか、それが分岐点になると僕は思っています。(本文より)
テレビ視聴率の低下、新聞部数の激減、出版の不調----、未曽有の危機の原因はどこにあるのか?
「贈与と返礼」の人類学的地平からメディアの社会的存在意義を探り、危機の本質を見極める。内田樹が贈る、マニュアルのない未来を生き抜くすべての人に必要な「知」のレッスン。神戸女学院大学の人気講義を書籍化。
僕は自分の書くものを、沈黙交易の場に「ほい」と置かれた「なんだかよくわからないもの」に類すると思っています。誰も来なければ、そのまま風雨にさらされて砕け散ったり、どこかに吹き飛ばされてしまう。でも、誰かが気づいて「こりゃ、なんだろう」と不思議に思って手にとってくれたら、そこからコミュニケーションが始まるチャンスがある。それがメッセージというものの本来的なありようではないかと僕は思うのです。(本文より抜粋)
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最も参考になったカスタマーレビュー
8 人中、7人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
あのメディアとなら一緒に革命がやれると思えるか,
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レビュー対象商品: 街場のメディア論 (光文社新書) (新書)
本書はタイトルの通りメディアを中心的なテーマとして様々な角度から論じられている。内容については他のレビュアーも色々と記載されている通りだが、 メディアの価値を「あのメディアとなら一緒に革命がやれると思える」かどうか ということに最終判断基準を置くなどメディアについて本質的な点が論じられていると感じた。 また、個人的には、著作権を「贈与と返礼」の構造で論じている個所に深い説得力と 著者の視点の面白さを感じた。 また、主題とは少し離れるところかもしれないが、書籍に合って、電子書籍にないものとして 書棚に配架できないことを挙げている。 電子書籍は買ってタイムラグなしにすぐ読め、それが最大の利点だが、 書棚に並んだ書籍は「いずれ読まねばならぬ本」であり、そうしたリテラシーを備えた自分に いつかなりたいという欲望をあらわしているという。 これはに評者自身の状況に非常に合致し、思わずニヤリとしてしまった。
49 人中、39人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
本当の意味の新作,
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レビュー対象商品: 街場のメディア論 (光文社新書) (新書)
最近の著書では既に読んだフレーズのリミックス的印象が多かった中で、今回の作品はそうではなく本当の意味の新作といっていいです。 前半のキャリア教育は、他でも述べられている教育論。 新聞テレビのマスメディアの凋落は、「厳しい相互監視」のなさ、 商業ベースの「口当たりのいい言説」「ナイスガイぶり」「知的劣化」 「固有名をもたない、だれでもいいそうなことだけを選択している」ことが、 最近のミドルメディアの勃興とともにあらわになったということ。 出版については、話題の電子書籍に関して、 これまで読者と想定していなかったレンジに届くようになったことが重要だとして、 強い著作権については否定的な意見を展開。 購買者より、読者を増やすことが書き手としては重要であり、 漏れなく徴収するシステムよりも、無償で読ませる体験を通じて、 それを自分自身の贈り物と思いこみ反対義務給付をする人がでてくるのを じっと待つことが求められているとします。 他のメディア論とは一線を画す、非常に示唆に富んだ1冊です。
41 人中、32人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
テレビ・新聞の劣化への嘆きと、秘めたる読書体験への愛情,
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レビュー対象商品: 街場のメディア論 (光文社新書) (新書)
内田樹の恒例の「街場シリーズ」の新刊。神戸女学院での「メディアと知」というディスカッション形式の講義を文章化したものだ。 メディア論と銘打たれているが、本書はふたつのトピックに大別される。 一つ目は信頼と見識において凋落著しいテレビ・新聞といったマスメディア論。氏 はこれまでも、自身の人気ブログ「内田樹の研究室」にて、おもに新聞・テレビ(ラ ジオは別)といったマスメディアに批判的言及を加えてきた。これはそんな彼のメ ディア論の集大成といえるかもしれない。フェミニズム批判の時もそうだったが、こ の著者がもっとも痛烈に批判する部類の一つが知性の劣化であり、そこでいわれ る知性とはつまり、自己言及性と言い換えてもいい。自分というものをかっこに入れ て思考できなくなった、もしくはできないようになっている産業構造や関連性、そし て収益構造、実はそこにマスメディアの構造疲労が隠されているんじゃないかとい うのが、内田氏の見解だ。 二つ目は、いわば読書論。ブログでこれまで披露してきたとおり、氏の著作権につ いての見解は、文芸家協会などが示すそれとはまったく異なるものだ。平明な言葉 で書いているようでいて、やはり氏の思想のバックボーンにはフランス現代思想の エッセンスが多分にはいっていることがわかる。「つねに・すでに」存在する作者と 読者の関係は、決して市場原理では回収されえない贈与の関係としてあると断言 する。実はこの話、冒頭の若者の労働観について論究した第一章とつながっている 仕組みになっていて、実はきれいな構成だ。 また、iPadの登場もあり読書環境の地殻変動が起こりつつあるが、氏は電子書籍に 一定の評価はしめすものの、本棚に並んだまま手にされない本の意義、つまり積読 の意義をも熱弁する。くわしくは本を手に取ってみてほしい。 優れた書き手はそのまえに、優れた読み手としてある。内田樹という存在はそのこと をはっきりと例証している。
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5つ星のうち 4.0
読んだ後、どうすればいいのか?
この本では、新聞やテレビのマスコミがどんどん衰退して行っている現状の解説がしてある。... 続きを読む
投稿日: 8か月前 投稿者: いんてきふこ
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