本書は、行政学の教科書に留まらず、社会科学の論理体系を学ぶ教科書として優れている。
行政学の側面から見ると、基礎的な知識から複雑な論説の判断まで書かれており、対応範囲は幅広い。節の冒頭は、「官僚制」や「政治と行政の関係」等の基本的な論点を整理している。節の後半は、複数の論説にまたがる判断を説明している。後半の複雑な判断は、前半の知識により必要十分に理解できるため、読みやすい。
社会科学の側面から見ると、本書は客観的な判断基準を示して論を展開している。またパラグラフごとの主張は明瞭であり、パラグラフの間の論理の流れは、節の主張を必要十分に支えている。そのため、読者に浮かぶであろう疑問点は、ほぼ完全に回答されている。
本書は、行政学の知識に留まらず、社会科学のお手本となる点で、文句無しの星5つとした。