「経済人」という特別の人々をご存じだろうか?
禁煙や禁酒やダイエットに失敗するなんてことはありえない。
しょっちゅう電車の中に傘を忘れたり、ダブルブッキングをして友人を不愉快な気持ちにさせたり、当たるはずのない宝くじに大金を投じたりはしない。経済活動を行っている人、つまりわれわれすべてがこのような人物であるという想定の下で、標準的経済学は構築されている。(本文より一部改変して抜粋)
感情などに振り回されない、超合理的な経済人を扱う経済学は、どこか現実にそぐわない。
感情、直感、記憶など、心のはたらきを重視し、私たちの現実により即した経済学を再構築しようとする新しい学問、「行動経済学」の基礎を、詳しく解説。
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49 人中、47人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
経済学を学んでない人には少しややこしいかも,
By 県民 (奈良県) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 行動経済学 経済は「感情」で動いている (光文社新書) (新書)
2002年にノーベル記念経済学賞を受賞したカーネマンとトヴェルスキーが開拓した経済学の新分野「行動経済学」を俯瞰的に紹介した良書。経済学もしくは経済学を ベースにした経営学を学んだ人には役に立つ本だと思う。 これまで、経済学では前提条件として合理的な人間を想定し、その下に理論構築・ 実証研究が行われてきた。近似的に正しいと納得できる結論もあれば、どこか現実 感覚にそぐわない結論もあった。後者は理論上の帰結と現実とを粒さに眺め、傍証 を用いて説明するしか方法が無かった訳だが、それを実験を通じた心理学の手法で 体系的に実証したところにこの分野の意義がある。その実証分析から導き出された 結論をまとめたものの一つが本書である。これまで経済学を学び、知識を更に獲得 したいと思っている人には経済学の新分野を学ぶ上で有意義なものであると思う。 しかしながら、新古典派経済学に闇雲に批判的な人が読むことはお勧めしない。 この本は決して「人間が非合理だ」と主張する本ではなく、「合理性を追求できな い理由」を分析した本である。本書でも引用されているように、「事実の集積は科 学ではない」(ポアンカレ『科学と仮説』)ので、感覚的に導いた(身勝手な)セオリ ーを補強する材料とはならない。いくらかの経済学的バックグラウンドを求められ るのが本書の辛いところと言える。
40 人中、36人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
感情も結局合理的なのか,
By
レビュー対象商品: 行動経済学 経済は「感情」で動いている (光文社新書) (新書)
経済的局面において人々が実際に選択する行為と、標準的経済学が予期する、効用を最大化し合理的選択をすると仮定されている「経済人」との間には乖離がある。それらに ついて深く掘り下げたのが本書である。 本書はなぜ人は「経済人」のように合理的な行動ができないのか、損してまで感情的行 動を起こしたり、将来の大きな利益を省みず、目先の小さな利益に飛びついたりするの か等の謎を解くヒントになるだろう。さらにこれらは人の生物としての合理性(だっ たの)ではないかということが次第に明らかにされる。 しかし、本書を読んで「経済学が根底から瓦解した」なんて誤読してはいけない。著者 自身も書いているように、「経済学で長年に渡り蓄積されてきた理論に認知心理学の成 果を取り入れて改良するというのが行動経済学の目指すべき方向であって、標準的な経 済学を全面的に放棄あるいは解体して、新しい経済学を一から建設するというものでは ない」からだ。 さらに(実はというべきか)、この種の適応的合理性という性質は、進化社会学や社会 心理学の最近の知見について既知の読者ならば、さほど真新しさを感じないのではと思 われる。逆に本書を読んで、はじめてその面白さに触れたなら、そちらの入門書等を読 まれることをお勧めする。本書の網羅的・教科書的記述は(学生や研究者には巻末の参 考文献リストが)辞書的に役に立つ種の本でもある。 著者の中立的記述は、ぶれがなく好意的。逆に面白味に少々欠けるという意見もあるだ ろうし、この行動経済学が政策的にどう生かされるべきなのかという方法論までは著者 自身認めるとおり、射程とはされていない(今後の課題)。だが、新書というスペース に行動経済学の議論を詰め込めるだけ詰め込み紹介したという姿勢は評価されるべきで あろう。
12 人中、11人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
経済学の素人でも、十分楽しく読める。,
By グライド (札幌市) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 行動経済学 経済は「感情」で動いている (光文社新書) (新書)
人間の感情を重視する経済学、「行動経済学」についての本。いくつもの思考実験や具体例を通して、 いかに人間の行動は合理的とはほど遠いか、考えさせられます。 私は標準的経済学のことはわかりません。 しかし、そんな私でも上記の具体例が興味深く、楽しく読むことができました。 千円手に入れたときの喜びよりも、千円なくしたときの悲しみの方が大きくありませんか? 食べ放題の店に行ったら、お腹が苦しくても元を取ろうとしませんか? 600人中、200人が死ぬ政策よりも、400人が助かる政策の方がよく思えませんか? ピンと来た方、オススメです。 400ページと新書にしては厚いし、内容がやや難しいところがあるので、 サクッとは読めないかもしれません。 しかし、何度も目から鱗が落ちるし、実生活で役に立つ知識も多いです。 飛ばし飛ばしでも、ぜひ読んでみてください。
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