途上国の可哀想な人達を、豊かな自分達が助けてあげ、社会貢献する自分を主人公として自己完結するサービス提供型でなく、原因を探り変える策を実現する政策提言型活動について書かれた希有な本で、07年のノルウェー等提唱有志国が禁止条約作りを目指したオスロ=プロセス(日本は宣言不参加)、08年ダブリンの条約案合意(日本も合意)を追った当事者ルポが主となっている。
戦闘後に戻った市民が、不発弾の脅威に何年も晒され続けるクラスター爆弾を、防衛目的で自国に投下する国は日本以外にないし、ベルギーの投資機関が兵器産業に投資するのを禁止する法案制定、EUの社会的責任投資を求める世論、イタリアの対人地雷製造企業に対する労組を巻き込んだような盛り上がりもなく、ODAすら環境破壊に使われ、コトバンジャンダム問題では現地の人に日本で提訴される始末。
愛知万博で、博覧会国際事務局を通して、海上の森の環境に配慮がなされたように、外圧を利用せねばならぬのも情けないが、今後は英のように政策形成・実施において政府のパートナーとしてのNGOを確立せねばならない。
NGOは、国連総会及び安保理にこそ参加していないが、世界会議ではパートナーとなり、非公式ながら個別国連携は模索されているのだが、97年以後¥17億を各国NGOに支援してきた、英のダイアナ基金以外では、ルーティンとしての安易性から多くがサービス提供型に偏在してもいる。
ところでクラスター爆弾廃絶キャンペーンをうち、日本の条約採択に一役買った毎日新聞は、03年アンマンの空港手荷物検査所で、同社カメラマンがイラク戦争取材中に拾った子爆弾を記念品として持ち帰ろうとした際に爆発、死者1負傷5名を出した事故を起こしたが故に連載報道をしたのだが、本書を始まりとして世論のコンセンサスを得る迄、政策提言型NGOの類書を更に応援・発刊するような報道を期待したい。