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行動する仏教: 法然・親鸞の教えを受けつぐ (ちくま学芸文庫)
 
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行動する仏教: 法然・親鸞の教えを受けつぐ (ちくま学芸文庫) [文庫]

阿満 利麿
5つ星のうち 5.0  レビューをすべて見る (3件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容説明

戦争、貧富の差、放射能の恐怖……。このどうしようもない世の中ででも、絶望せずに生きてゆける、21世紀にふさわしい新たな仏教の提案。

内容(「BOOK」データベースより)

従来の仏教は、生きる上での「苦」の原因を、前世からの因縁や個人の心の奥底に巣食う強烈な自我に求めてきた。しかし、戦争で命を落としたり原発事故の被害に遭うことは、個人の過去や心のありように原因があるのだろうか。そうではなく、政治や社会構造に問題があるのではないか。ならばその苦の原因を取り除く行動を、いまや仏教は起こさなければならない。「すべての衆生を救わずにはいられない」という仏教徒の第一の使命に立ち返り、法然・親鸞によって確立された浄土仏教を受け継ぎながら、その教えの中味を現代的な形に作り変える。行動する仏教=エンゲイジド・ブッディズムの意欲作。

登録情報

  • 文庫: 254ページ
  • 出版社: 筑摩書房 (2011/8/9)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 4480093966
  • ISBN-13: 978-4480093967
  • 発売日: 2011/8/9
  • 商品の寸法: 14.8 x 10.4 x 1.2 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 5.0  レビューをすべて見る (3件のカスタマーレビュー)
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11 人中、10人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
この本は今はやりの癒し系の類ではない。そういうことを求めて読むと裏切られる結果となるはずだ。しかし、この本は、「絶望」、「無力感」、「無関心」を乗り越え、新たな社会を作るためには何が必要かを提示している。

以前から日本を含めた全世界で進行していた「末世」の様が3.11で露呈した。日本は核の脅威が日常生活の一部になるという、「末世の極み」に達してしまった。今から思うとなるべくして今の状況に至ったとしか言いようがない。その責任の一端は我が身にあったと実感している人は多いかもしれないが、責任を感じてはいても、あまりにも大きな問題のため、個人の力では何をどうすればよいのかわからない。考えれば考えるほど不安と無力感でいっぱいになってしまう。

仏教に縁がない人たちにも是非この本をお勧めしたい。なぜなら、自分を取り巻く「苦」を乗り越えていくには、まずは自己をどう理解するか、が述べられているからだ。著者は、今までの「自己」へのこだわり(執着)に気づき、そこから新たな自己(つながりの中の自己)に目覚める(転じていく)ことが必要だと説明する。それを可能にするのが、仏教(浄土教)の考え方だ。今までのやり方がうまくいかなくなった時こそ、別の価値観(考え方)に目を向けてみる契機となるのではないか。
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8 人中、7人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By Mitra
「凡夫」という仏教的人間観を軸に、平等と慈悲をその根幹に据えた社会変革論と
いえるかもしれない。その意味ではラディカル(根本的)な問いを発する本だと思う。
3.11以後に「末世」が始まったわけではない、という指摘はその通りだろう。

私は、「苦の原因を追究する」ことの大事さと、「凡夫」にとっての民主主義が
示されている点に感銘を受けた。単なる机上の空論でなく、具体的な提案があって、
実践的な社会倫理が論じられている。仏教は「行」を伴う宗教なのだという。

この著者はすでに『社会を作る仏教』(人文書院)を出していて、私としては
そっちのタイトルのほうがダイナミックでいいと思う。同じタイトルにはできないから
こうなったのかもしれない。とはいえ、そんなことで本書の魅力を損なうことはない。
「苦」に満ちた末世だからこそ、じっくり読んで、自らの行動の立脚点としたい一冊と
いえる。

「あとがき」でちゃんと原子力ムラ批判をしていて、それも小気味よい。また「連続無窮」
という同人誌?に掲載された文章も含まれているとかで、それも気になるところ。
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6 人中、4人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
「(ソーシャル)エンゲージドブッディズム(Engaged Buddhism)」=「社会と結ぶ仏教」を基調として、アメリカにおける現実社会に生きる法然・親鸞の教えが紹介されます。
異文化の中における仏教は、習俗としてなじんでいる宗教ではないので新鮮な教説となり、仏教の基本に返っているのではと思われました。

たとえば、ジョアンナ・メイシーは、「エゴ・セルフ(自己中心)」から「エコ・セルフ(他の生き物たちと共存できる自己)」(42頁)を提案していますが、これは「無我説」「縁起説」を社会へと開く理念と考えられます。

アメリカに渡った京極逸蔵は、いつも問われる倫理「黄金律」について、仏教では「慈悲」と答えています。
「慈」=楽しみを与えること、「悲」=苦しみを無くすこと(172頁)であり、『聖書』と『論語』の教えを兼ね備えていると。
さらに「六度(布施、持戒、忍辱、精進、禅定、智慧)」を強調しています。
「「六度」を実践しようとして敗れて絶望におち、「懺悔」を感じる。その「懺悔」が阿弥陀仏の本願を頼む心を一層深めて、生きる勇気をもらい、さらにまた「六度」を試みようと立ち上がる」(179頁)。
これは、念仏の一念義と多念義の論争に対する解答でもあるのではないでしょうか。

また、僧侶たちが、現実を改善する事業を「自力」であるとして、協力しないばかりか貶めるという風潮があり、「自らが仏になる道として「他力」つまり阿弥陀仏の本願を信じるということと、現実の暮らしのなかで問題となっていることがらを積極的に改善してゆこうという生き方が区別されていないということは驚きであるが、現実には体制側に順応するだけで、なんらの変革の動きを見せないことが「他力」だという思い違いが近世以来、真宗教団では普通のことであった」(175頁)と批判されます。

そして、最後に「末世」のただなかでとして、3つの提案が示されます。
力強い指針を得たように思われました。
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