仮に今行政書士として開業するなら本書を片手に開業するのがベストかもしれない。本書には開業前の準備から心構え、営業や打ち合わせの仕方などが、非常に丁寧かつ具体的に書かれているからだ。
また開業の王道を基本としながらも、他の開業本では触れられていない著者ならではの行政書士業務の切り口や知識が豊富で、本書に書いてある通りに開業すれば初心者(試験合格者)が最も失敗が少なく効率よく行政書士として歩みだせるだろう。
しかし一方でやはり資格での開業、事務所の存続については難しいとも思った。特にスポット業務が多い行政書士においては業務を覚えていく事は当然の前提だが、それだけでは行政書士として何十年も食べていくという事は難しい。著者の言うとおり、行政書士で食べていくというより、食べていくために行政書士という資格をどう使うか?と考えなければ続けていけないとも思う。
私はとにかく数ある行政書士業務に精通すれば何とかなると考えていたが、それだけでは足りないという事だ。まさに起業家マインドが必要なのであろう。「おわりに」にある筆者からの重要な質問、「あなたは、本書の内容をいつまでに実践しますか?」の問いかけに対して、私は「うーん、しばらく時間をください」と答えざるを得ない。