血脈上・中・下 全巻のカスタマーレビューである。 血脈は、佐藤愛子によって書かれた佐藤家に纏わる血の歴史であるが、自分の血縁である人々の薬漬け、アルコール漬け、女のひも漬けの生活を描いている。単なる小説ならこれほど冗長と思われるほどの描写はいらなかったのではないかと思われる部分もあるが、事実を出来るだけ忠実に描くことを自分に課した故なのだろう、これでもかこれでもかと姑息な、だらしない、誤魔化しの、女に寄生して生きているような、腹違いの兄達や甥達を描いている。血縁の人達を、そのほとんどの人達は既に故人になっているとは言え、これほど描き切るということは並大抵の覚悟ではできないことだと思う。この本を読んで救われることは、そんな血縁の人達にも、佐藤愛子はほのかな愛情をもっていることである。 後書きでも彼女が言っているように、書き終わって”いとおしさ”をおぼえるまでになった、ということである。 この本を上梓したことによって、佐藤愛子は、自分自身も救われたのではないかと感じた。