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3 人中、3人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
警句と皮肉とユーモア,
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レビュー対象商品: 血液と石鹸 (ハヤカワepiブック・プラネット) (単行本(ソフトカバー))
ベトナム戦争末期にアメリカに脱出したという波乱の経歴を持つ。ボルヘスを思わせるような不思議なショート・ショート集である。世の中には、どんなことでも起こりえる。そして人間など、何かを分かったふりでいるだけの愚かしい存在である。そんな読後感だった。一夜にして正義が悪となり、味方が敵となり、生者が死者となったベトナム戦争体験と無縁ではあるまい。 詩人らしく、「囚人と辞書」「!」「自殺か他殺か?」など、言葉を巡る論考をもとに書かれた作品は、特に印象深い。 タイトルの「血液と石鹸」という言葉は、「ただいま上映中」という短編中に、架空の映画タイトルとして登場する。
9 人中、6人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
読んでいる間は幸福感に包まれ終わって欲しくない気持ちになる極楽短編集です。,
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レビュー対象商品: 血液と石鹸 (ハヤカワepiブック・プラネット) (単行本(ソフトカバー))
ベトナム系アメリカ作家で詩人・小説家・翻訳家としての才能を遺憾なく発揮して活躍するディンの本邦初訳の傑作最新短編集です。本書の特長は最短で一頁の物を始めとする全37編が収録されており、非常に短くて難解ではなくわかりやすく可笑しく面白いという点に尽きます。内容的にはびっくりする程の目新しさはありませんが、決して受け狙いのオチを意識して書かれてはおらず、ブラックな味わいと皮肉を効かせた著者独自の視点や世界観で貫かれています。面白さの例を上げると、ミステリー風のタイトルでも中身は似ても似つかない代物だったり、殺人事件が起こっても動機はどうでもいいじゃないのと突き放したリ、政治家や有名スターよりも無名の配管工の一生をドキュメントする事に刺激を感じる屈折した感性といった風変わりな奇想ばかりで、本書は何処から読んでもありきたりでなく尋常でないけったいな物語のごった煮です。『わが国北の果ての知事』:今だ嘗てこんなにけったいで馬鹿馬鹿しい殺人方法があっただろうか?と思わず吹き出してしまう爆笑幻想ミステリー(?)です。『隠された棺桶の町』:ベトナムのゴーストタウンと化した町ノイ・エンの呪いに満ちた伝説をタクシーの運転手から教えられますが、次第にビールを飲んで酔い痴れ、まるで落語を聞いているような具合になります。『もはや我らとともにない人々』:ホテルの部屋で出会った数々の幽霊体験が語られますが、怖いというより惚けた可笑しさの余韻が残ります。『一文物語集』:文章を中途で終わらせず一文のみで構成されたシンプルな短文に可笑しさを盛り込んだ究極のショート・ショート集です。思わず二度読みして作者の意図を確かめさせられます。 本書は感動や知識を得られる類の本ではありませんが、読んでいる間は幸福感に包まれ終わって欲しくない気持ちになる極楽本ですので、ぜひ気軽に読んで楽しまれる事をお奨め致します。
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