この映画原題は「ピーピングトム」で、つまり、のぞき魔の代名詞のことです。この映画は、サイコホラーの古典ヒッチコック監督の「サイコ」の前年1959年にイギリス映画の巨匠のひとり、マイケル・パウエル監督によって制作されました。公開当時これほど悪趣味な映画はないと散々だったようですが、時がたつほど再評価され、今では、ホラー映画のベスト10級の名作とまで言われるようになりました。しかし、実は「血を吸うカメラ」とは、ホラー映画の形をかりた普通の映画であると私は、結論ずけました。何故なら、この映画に登場するカメラに異常な執着をみせるマークリュイスとは、映画という仮想現実をまさに覗き見し、惑わしい現実から逃避する私たちの分身のように感じたからです。だからしごく当然のごとくマークリュイスは、最後、常識(現実)の刃を自分に向けたのであります。
この映画は、マイケルパウエル監督の実に内省的な映画でもあったわけで、その証拠に「赤い靴」
赤い靴 デジタルリマスター・エディション Blu-ray「ホフマン物語」
ホフマン物語 [DVD]で相当いれこんでいたと思われるバレリーナ、モイラ・シェアラーを劇中あっさり殺してしまいました。また、マークの父親を自ら演じ、特典映像でわかったことでありますが、マークの幼少期を実の息子に演じさせていたのでありました。ま、一回くらいは観といてもいい映画です。
ところで、ちょうど同じ頃のアメリカ映画で、「怪人ガリガリ博士」というのがあって、こちらは、脚本が「サイコ」のロバートブロックで最後にドンデン返しのある面白い映画です。国産DVDが発売になる予定のようです。