ハリウッドには1910年代から現在まで「スーパースター」と言われる人たちがいる。
S・ウィンタースのキャリアもオスカーノミニー4回にして、うちウィナー2回。
「狩人の夜」や「ロリータ」などの出演も含めて、それらはオードリーの実績など軽く超える。
でも、シェリーがスーパースターと認知されているかと言えばそうではない。
オードリーと比較しても「天と地」くらいの開きがあるのではないか。
その原点がこの「血まみれギャングママ」への出演だと思う(笑)。
クェンティンたちがもてはやされる現在と違い、R・コーマンは「異端児」の扱いだった。
1960〜70年代のハリウッドはTVに押された「暗黒時代」で、世界的名所の
チャイニーズシアター前にも異臭が漂っていたそうだ。
そんな時代を支えたのがコーマンで、コッポラやニコルソン、デ・ニーロ、J・キャメロンまで、
彼がいなければハリウッドの再隆盛はなかっただろう。
アメリカンニューシネマといえば聞こえがいいが、予算はそれらの半分くらいだろう。
コーマンの凄みはそれでもこれだけシュールな映画を作れる「手腕」にある。
シェリーもスーパーキャリアの割には役柄に恵まれず、思いきって本作に挑んだのだと思うが、
当時のハリウッドでは「綺麗な女優」=「綺麗な役」という世界観だったので、シェリーの運命も変わった。
でも「ポセイドンアドベンチャー」でもオスカーノミニーされているし、M・ゴーランから熱望された
「デルタ・フォース」でも存在感を見せるなど、20世紀を代表する女優のひとりであることは間違いない。
冒頭から新聞広告で拳銃が売られ(笑)、何でもありのストーリーはいま観ても楽しい。
ラストの銃撃戦と見学者の牧歌的風景との落差は、まさにR・コーマンの凄みだと思う。
星は4つです。