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血の騒ぎを聴け (新潮文庫)
 
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血の騒ぎを聴け (新潮文庫) [文庫]

宮本 輝
5つ星のうち 4.7  レビューをすべて見る (3件のカスタマーレビュー)
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   単行本未収録を含む60篇あまりが収められた宮本輝のエッセイ集。

   軽井沢での執筆日記やサラブレッド購入をめぐる顛末(てんまつ)などを、ときに関西弁を交えたユーモラスな筆致でつづった「日々の味わい」。中国、東欧への旅行を記録した「なまけ者の旅」。尊敬する井上靖への思いや、親交を深める作家仲間たちの作品を評した「言葉を刻む人々」。芥川賞受賞作『螢川』から『地の星』までの創作秘話を明かした「自作を語る」。4つの章に分類された各エッセイは身辺雑記から紀行文、作家作品論と幅広いテーマに及んでいる。

   小説の執筆に集中するため「1985年あたりから、私は、意図的に、エッセーを書かなくなりました」と語る宮本。それはライフワークともいえる大河小説『流転の海』の完結に向けて、あるいは母親の「血の騒ぎ」を「あらためて聴きに行かなければなりません」と語る宮本の、創作への情熱が依然熱くたぎっていることのあかしでもある。静けさをたたえた宮本作品の奥には、宮本の熱い血潮のたぎりが存在していることにあらためて気づかされる。

   デビュー間もない1980年ごろから2000年にかけて執筆されたこれらのエッセイは、宮本文学を語るうえで貴重な資料でもある。いずれも宮本がつくりだしてきた小説世界の血肉となったものばかりだ。死の2か月前に「おてんとうさまばっかり追いかけるなよ」という言葉を残していった父親。5日間ナスビばかり食べていた富山での母親と2人きりの生活。芥川賞受賞直後に患った結核。生まれ故郷神戸への思い…。宮本文学の過去、現在、そして未来を一気に俯瞰することのできるエッセイ集である。(中島正敏) --このテキストは、絶版本またはこのタイトルには設定されていない版型に関連付けられています。

内容(「BOOK」データベースより)

これだけは書いておきたかった、人の情、魂を照らす光景―。芥川賞受賞直後に患った結核。震災に遭った、生れ故郷神戸への思い。中国、東欧への旅。井上靖、中上健次ら同時代の作家たちのこと。そして芥川賞受賞作『蛍川』から『地の星』までの創作秘話。デビュー間もない頃から二十年間書き継がれた、宮本文学の過去、現在、未来を一気に俯瞰する、ファン必読の傑作エッセー集。

登録情報

  • 文庫: 365ページ
  • 出版社: 新潮社 (2004/05)
  • ISBN-10: 4101307148
  • ISBN-13: 978-4101307145
  • 発売日: 2004/05
  • 商品の寸法: 15 x 10.6 x 1.4 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.7  レビューをすべて見る (3件のカスタマーレビュー)
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3 人中、3人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By 白月
形式:単行本
錦繍・流転の海・避暑地の猫を執筆していた頃を振り返り、それぞれの作品について著者自身がその時の周りの環境や自分の思いを振り返ってどんな作品を作り上げたのか事細かに書いてある。
書き始めた年齢にも驚くが、川三部作などは何度も書き直しを加え次作まで時間をかけて執筆している。

売れっ子作家で締め切りに追われ、機械のように文章を乱発するような作家でなくてほっと安心する。
不安神経症や肺結核の病気をかかえながら、作者の筆は衰えない。

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2 人中、2人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:単行本
輝さんのエッセイ・雑文集。いろいろな文章が入ってるから、すごく気に入ったものと、そうでないものがある。

この中に「お天道様だけ追うな」という文章がある。

輝さんが大学3年生だった頃のある夜、父親と屋台でコップ酒を飲んでいると、父親がふいに静かな口調で「おてんとさまばっかり追いかけるなよ」と言った。ほんの2ページほどの、短い文章だけども、ぼくは大好きで、たまに本棚から抜いては、読んでみる。

「悲しかった食事」という文章も、ぼくは大好きで、ふとした時に、思い出したりすることもある。これも3頁くらいの短い文章だけど、びっくりするほど、心にぐっと響く。何度読んでも、おなじ箇所で、泣きそうになるほど、悲しくなる。

本棚に、こういう思い入れのある本が並んでるのを見ると、とても落ち着くし、嬉しい気持ちになる。きっとこれからも、ふとした時や、悲しいとき、あるいは幸せでたまらないような時にも、何度も手にとって、読むことになるんだろうな。

この本の冒頭には、次のような文章がある。

「血の騒ぎを静かに聴け」

 小説が書きたくて、もう書かずにはいられなくて、血が騒いで騒いで、おさまりがつかないという時代があった。

 その逆の時代もあった。

 どうもそれには一定の周期があるようだが、いずれにしても、血が騒いでいるときのほうがいい。

 自分の血の騒ぎに巻き込まれるのではなく、それを静かに聴いていられたら、もっといいのに、と思う。

         (宮本輝『血の騒ぎを聴け』より)

こういう文章に出会えたことを、僕はほんとうに幸せだと感じるな〜。
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16 人中、12人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
素直な宮本輝 2004/6/21
By kozo37
形式:文庫
宮本輝の長編小説がリリースされるたびに、ワクワクします。いつもその行間から私の脳裏に色彩豊かな映像が浮かび上がってきます。しかしながら素顔の作者はわがままでずる賢いその辺の中年親父。そのあたりの心情を包み隠さぬことで作者の人間臭さ、素直さがよく現れ、むしろ大作・名作を数々送り出した時の産みの苦しみがよく伝わります。ただ、そばにいる人達は作者の世話で大変でしょうね。
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