男女ツインボーカル・ギター・ベース・ドラム・ピアノを基本編成に、曲によって三味線・バイオリン等が参加、更に多くの劇団員が盛り立てる。作品全体としては寺山修司・天井桟敷の音楽劇「身毒丸」をヘヴィな音で現代に甦らせたようなイメージ。犬神サーカス団、初期筋肉少女帯、人間椅子、五人一首、陰陽座をごちゃ混ぜにしたような凄まじい音楽だ。日本的な哀愁と怨念が漂うメロディの、血泥まみれの力強さ。寺山修司や江戸川乱歩の影響を感じる詩世界は怪奇で病的、閉塞感と狂気に満ちつつも、同時に不条理な現実を突き破る力強さをあわせ持つ。仏壇・お線香の匂い、子供の頃に「かくれんぼ」「かごめかごめ」「花いちもんめ」に感じた名状し難い怖さ、お祭りの向こうの暗闇、村八分、紙芝居、人さらい…暗いノスタルジー渦巻く、日本人にしか作り得ないロック。
「狂れた埋葬虫、電波、赤マント」は冒頭の語りに三味線が入ってくる瞬間にしびれる。攻撃的な疾走曲に、血の桜吹雪のようにピアノ・三味線が打ちつける。泥臭く駆けずり回る男声、絶妙に合の手を入れる女声。一緒に叫びたくなる熱さ。筋少の「モーレツア太郎」+三味線って感じ。「非傀儡宣言」は高揚感抜群。衝動的な激しさの中を、叙情的な女性ボーカルが突き抜ける。三味線ソロに女声が重なって激情たぎるギターソロへ繋がり、影男が宣誓を読み上げる…カッコよすぎ!「大空を失った男」は子守唄のような寂しい曲だが講談風の語りを挟んで徐々に加熱し後半は爆発、ギターと三味線の壮絶なバトルへ。「噂のフォークロア」は寺山修司の詩を用いた曲。「木偶の縫子」はジャジーでノリノリ。入り組んだ悪夢のような詩。「最後の審判」は無数の訴え声が飛び回る展開から、勇ましくヘヴィな音像が駆け出す。人間という大罪…語りがカッコイイ。「新月に君想う」はバイオリンが美しいバラード。「ジクムント」は破壊的な中に切なさを滲ませ突っ走る。ヒステリックなピアノ、つむじ風のようなバイオリンに鳥肌立つ。目の前にある現実は呪わなければならない!叩き潰せ!「胞衣の劇場」前半はシブい講談か演歌の前口上のような語りから哀愁ギターソロが燃え上がる。後半は演歌・民謡調の歌メロ、女性ボーカル中心に合唱も入って盛り上がる。「血の軌跡が故の慟哭」は熱く突進するバンド、叩きつけ乱舞するピアノ、力強い歌声、殺気立った語り…血管が切れそうなほど興奮する。血の涙を流し叫ぶようなラストは感動的!