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血のジレンマ―サンデーサイレンスの憂鬱 ( )
 
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血のジレンマ―サンデーサイレンスの憂鬱 ( ) [単行本]

吉沢 譲治
5つ星のうち 4.6  レビューをすべて見る (7件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容紹介

東京大学教授・本村凌二氏推薦

バブルがはじけて雲散霧消したお金。
だが、サラブレッドの世界には種牡馬サンデーサイレンスという奇跡が生まれた。
その血の宿命をたどる作者の語り口は、まるで近未来の推理小説を読むかのような迫力がある。
人間と馬がおりなす血統の叙事詩を味わってもらいたい。

何が競馬をつまらなくしているのか

日本の競馬界に、不滅の金字塔を打ち立てた名種牡馬サンデーサイレンス。
大いなる遺伝力は息子や娘、孫たちにも受け継がれ、その血の拡散はいまだ衰えることをしらない。
だが、そこには思いもかけない事態が待ち受けていた――。
巨星サンデーサイレンスがもたらした「格差」と「マンネリズム」の正体に迫る、本格的競馬ノンフィクション。

著者について

吉沢譲治(よしざわ・じょうじ)

1955年、愛媛県生まれ。早稲田大学政経学部中退。
血統評論家、ノンフィクションライター。
月刊誌、週刊誌の記者を経てフリーに。JRA日本中央競馬会の月刊誌『優駿』で、重賞優勝馬の血統ページを担当して25年になる。
かたわら同誌を含めた雑誌に血統記事、ノンフィクション、連載コラムを執筆。
『競馬の血統学~サラブレッドの進化と限界』(NHK出版)で、1998年度JRA馬事文化賞を受賞。

登録情報

  • 単行本: 224ページ
  • 出版社: NHK出版 (2011/4/14)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 4140814705
  • ISBN-13: 978-4140814703
  • 発売日: 2011/4/14
  • 商品の寸法: 19 x 13.2 x 2.4 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.6  レビューをすべて見る (7件のカスタマーレビュー)
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もはや「石を投げればサンデー系に当たる」と言っても過言でないほど日本競馬に血統革命を引き起こしたサンデーサイレンス。
今年(2011年)の日本ダービーは、出走18頭すべてが「サンデーの孫」だった。あるものはサンデー直系、またあるものは母の父サンデー。

著者は10年以上も前に既にこのような未来を予見していた。それがかの馬事文化賞受賞作『競馬の血統学 サラブレッドの進化と限界』である。
本作は、その10年間に現実のものとなった「血の飽和」を丹念に辿って行く。

確かに、社台グループとサンデー系の寡占状態となっている現実は、競馬を、ひいては馬事文化そのものを薄っぺらくしてしまっているだろう。
しかし、著者はそれを単純に批判的にとらえているのではない。
社台がどれだけ努力と自己研鑚を怠らなかったか、「社台に追いつき追い越せ」の末に破綻した早田牧場の例を引き合いに出して、
冷静に分析している。

また、シャトルスタリオンとして活躍したフジキセキや、サンデー系の中では「異端」ともいうべきステイゴールドの活躍ぶりにも紙幅を割いて、
サンデー系にもさまざまなタイプがあるということ、その違いに気づかなければ素質馬をダメにしてしまう可能性にも触れている。

そして、終章では、
「世界にもっとサンデーを」
と題して、サンデー系がもっと海外に活躍の場を求めて行くべきだとしている。
今年のドバイワールドカップを勝ったヴィクトワールピサなど、もし凱旋門賞に出走して好勝負していたなら、海外からの種牡馬としてのオファーは
かなりのものがあっただろう。いや、既にそんな話はあるのかもしれない。
だとすれば、ヴィクトワールピサは堂々と世界に進出すればよい。

あのノーザンダンサーを出したウインドフィールズファームすら、「血のジレンマ」に悩まされて、没落していったのである。
私たち日本人はこれほどの名種牡馬の血を、サンデー系同士の「血の食い合い」によって先細りにしてはならない。

「あとがき」から引用する。

<血のジレンマに悩み始めたサンデーサイレンスの憂鬱。
サンデーサイレンスがもたらした格差社会に苦しむ生産者の憂鬱。
社台グループとサンデーサイレンスの寡占競馬に戸惑う著者の憂鬱。

本書のサブタイトルにはこの三つの意味が込められている>

現在の日本競馬に携わる方々、そして「血統の話はちょっと…」というファンの方にも、ぜひお薦めしたい。
できれば前掲の『競馬の血統学』を先に読まれると、本書の内容がよりしっかり伝わってくると思う。
このレビューは参考になりましたか?
16 人中、15人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By ホテイロック トップ500レビュアー
日本競馬界に革命を起したといっても良い、ご存知サンデーサイレンス。種牡馬デビューするや否や産駒が重賞・G1を勝ちまくり、JRAの記録という記録を塗り替えてしまったのはご存知の通り。それゆえに、血統の世界で常に付きまとう、一頭の傑出した種牡馬が現れる事による「血の飽和」・・・雨後の竹の子の様に現れたサンデー産駒の種牡馬達、そして繁殖牝馬達。かつてセントサイモンの例がある様に、能力があまりに傑出している為に起こる「血の袋小路」に入り込んでいく宿命・・・ノーザンダンサーの様にこれから多少?サンデーのクロスによる強い馬も誕生するであろうが、その先は・・・特に、この狭い島国日本に於いてはあっという間に「種も畑もサンデーばかり」になってしまっている訳で、将に「サンデーサイレンスの敵はサンデーサイレンス」という「ジレンマ」に陥っている憂いを警鐘した一冊。逆に言えばそれ程ものすごい種馬だったんだなともいえる。競馬、特に血統ファンであれば次々に読み進められる面白く、興味深い本なのだが、「お薦め」という事になると・・・かなりマニアックだな。
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9 人中、8人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By tekken
種牡馬も繁殖牝馬もサンデーが席巻して配合に行き詰まっている社台グループ、そして社台独占の一方で疲弊する生産者の現状。

これまでの血統の歴史を簡単に振り返りながら日本の競馬界が発展していくにはどうしたらいいか、著者の熱い想いが伝わってきた。

内容はやや難しいが、そこは飛ばしても十分著者の言いたいことは理解できる。

個人的には「アメリカで君臨してきたミスタープロスペクターは代用血統だった」というような生産の歴史が非常に興味深く、面白かった。

巷にあるような“ミスプロ系は短距離で〜”みたいな本ではありません。馬券の参考にする本でもないでしょう。

ただこのような背景を知っていると、競馬をまた違った見方ができるので競馬が好きな方にはおすすめ。
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