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10 人中、8人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
この人は,
By するめいか (さいたま) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 螢 (単行本)
この人は世界に対して怨みでもあるのか?
麻耶雄嵩は「夏と冬のソナタ」という、個人的にミステリのオールタイムNo1作品を叩きだした方なんだが、この蛍もなかなかにものすごい。 なかなかに凝った叙述トリックでして、ラストのほうでは一瞬わけがわからなくなるかも。そして、衝撃のたぶんまったく無意味なオチ。 相変わらずの麻耶雄嵩っぷりに、一瞬ぽかーんとしてしまうこと請け合い。こういうミステリはこの人にしか書けないでしょう。
13 人中、10人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
再読に値する本格ミステリ,
By schizophonic (神奈川県) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 螢 (単行本)
叙述トリックもまだこんな使い方が出来るのかと思わせるヒネリの効いた作品。ひねりすぎて一読してピンとこないという難点もあるのだが、本作のもっとも素晴らしいところはトリックを生かすために隅々にまで神経をいきわたらせた描写にあり、そのことは再読することによってより深く味わえる。
仕掛けを優先した分、文章が若干読みづらく小説としては平坦であることも否めない。したがって本格ミステリを読みなれていない人には、若干ハードルが高いかもしれないが、本格ミステリをこよなく愛する向きにとっては、このよくできた作品にずっしりとした手ごたえを感じられるはずである。 さらに、クライマックスのカタストロフの美しさは、作り上げた世界を最後に手ずから破壊しつくしてしまうことを常とする麻耶作品の中でも突出していると思う。
12 人中、9人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
叙述トリックの新機軸,
By
レビュー対象商品: 螢 (幻冬舎文庫) (文庫)
典型的な《嵐の山荘》ものの道具立てを採りながら、そこに
著者一流の騙りの技巧と、底意地の悪い青春ミステリの 苦味が加えられた作品。 本作の核にあるのは、叙述トリックなのですが、オーソドックスなものに加え、 もう一つ、叙述トリックそのものを逆手にとったテクニックが使われています。 普通、叙述トリックとは、「作中人物には自明のことを、 読者が気づかないように誤導していく詐術」のことですが、 本作のトリックは、それとは逆で「読者には自明のことを 作中人物の大半が知らないということを読者が知らない」 ために成立するものとなっています。 つまり、読者と作中人物、双方にトリックが用意されており、 結果的に読者には、二重のトリックが仕掛けらていることに なるのです。 多くの読者はボタンの掛け違えをしたような違和感を抱えながら、 結末で初めて、作品の構造や作者の企みを理解することでしょう。 なお、トリック自体は一言で説明できるものであっても、それを作品として成立 させるのが容易ならざるものであるというのは、言うまでもないことと思います。
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