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蝶 (文春文庫)
 
 

蝶 (文春文庫) [文庫]

皆川 博子
5つ星のうち 5.0  レビューをすべて見る (7件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

インパール戦線から帰還した男は、銃で妻と情夫を撃ち、出所後、小豆相場で成功。北の果ての海に程近い「司祭館」に住みつく。ある日、そこに映画のロケ隊がやってきて…戦後の長い虚無を生きる男を描く表題作ほか、現代最高の幻視者が、詩句から触発された全八篇。夢幻へ、狂気へと誘われる戦慄の短篇集。

内容(「MARC」データベースより)

戦線から帰還した男は、ひそかに持ち帰った拳銃で妻と情夫を撃つ。出所後、廃屋同然の司祭館で虚無的に生きる男の生活に、映画のロケ隊が闖入してきた…。表題作のほか、夢幻へ狂気へと誘われる全8篇を収録した短篇集。 --このテキストは、絶版本またはこのタイトルには設定されていない版型に関連付けられています。

登録情報

  • 文庫: 221ページ
  • 出版社: 文藝春秋 (2008/12/4)
  • ISBN-10: 4167440083
  • ISBN-13: 978-4167440084
  • 発売日: 2008/12/4
  • 商品の寸法: 15 x 10.4 x 1.4 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 5.0  レビューをすべて見る (7件のカスタマーレビュー)
  • Amazon ベストセラー商品ランキング: 本 - 32,399位 (本のベストセラーを見る)
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15 人中、14人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:文庫
凄まじい短編集だ。もうこの一語に尽きる。薄くてすぐに読めてしまう本なのに、世界が変わり確実に自分の中に重くずっしりしたものが沈殿していくのがわかった。本書に収められている短編は、すべて詩句にインスパイアされている。もともとぼくは詩句には疎いほうで詩集や句集などは読んだことがないのだが、ここで取り上げられている詩句を読むかぎり、どうしてこのジャンルをもっと探求しなかったのかと歯噛みしたくなった。それほどに皆川博子の取り上げる詩句の世界は魅力的なのだ。本書を読んで、まず憧れが胸中を占め、詩句の世界に遊ぶ新鮮さを味わい、そして作者のつくりだす甘美で残酷な世界にしびれた。すべて舞台は日本である。それも一昔前、先の大戦前後の時代の話である。日本が世界から孤立し、狂気にまみれ熱く沸騰した時代。だが、ここで描かれるのは戦争ではない。戦争に翻弄される人々は出てくるが、戦争そのものにたいする記述はほとんどない。かわりに本書には、この時代に日本に根付いていた負の風潮が数多く出てくる。復員兵、戦争孤児、妾、男尊女卑、結核。そこに作者は美しさと、いい匂いと、残酷で清らかな詩句をおりまぜ、この上なくなめらかな文章でもって忘れがたい物語を紡いでいくのである。特に最後の三篇のインパクトは素晴らしい。夢に見そうなくらいだ。
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6 人中、6人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:単行本
初めての皆川作品である。
なぜ今まで出会えなかったのかと思う反面、出会えたことを僥倖とも運命とも思うほどに引きつけられた読書体験だった。
良き書物を評する方々の文面はそれぞれに的を得て、私がさらに稚拙な評など書き加える必要もないように思うが、あまりのレビューの少なさに、ここにせめて★五つを増やしたいとキーをたたいている。
読んだのは「1Q84」狂想曲が騒がしい時期だったが、読書がいかに個人的体験とはいえ、あまりにもひっそりと一人でこの世界を独占するのは忍びないと友人に勧めたところ、「これぞ日本文学だね・・・」との評がかえってきた。
また、家人にはなぜか最初の2ページだけを読ませたが「この出だし、凄いなぁ」とのことだった。
著者は華麗な文章をひけらかすこともなく、読みやすく饒舌に走らない文体で、時間と場所の迷路を彷徨う心の世界に読む者を誘う。1篇読み終えてもすぐに次のページにはすすめない。もう一度今読んだばかりの
世界に戻って隅々まで味わいたくなる。
どの作品の中の人物もみな作者の意図など微塵も感じさせない程に、それぞれのあちらの世界、こちらの世界で確かに存在している。これは凄いことだと思う。
読みたい本が一気に増えた。「最近面白い本に出会わない」なんて愚痴は封印しよう。
このレビューは参考になりましたか?
6 人中、6人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:単行本
皆川博子の作品は読んだことが無かったが、表丁の美しさと、短編集ということで、手にとってみた。詩歌を題材にとった短編はどれも読みやすく、過去と今とが交差する、夢幻の世界がそこには広がる。読んだ後、不思議な浮遊感に包まれながら、作者の他の作品も読んでみたいと思わせる、この本はそんな本であった。
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