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自伝(のようなもの)である「蝦蟇の油」は、週間読売の連載
(1978年3~9月)を単行本化したもの。(その後文庫本でも
発売。ただし写真はカットされている)当然過去を振り返っているのは
その当時の黒澤監督だけど、何故かしら「羅生門」にたどり着いた
あたりで、本書は幕を閉じる。というか、300P超えてもまだ
1950年だから、こっから先を書いていたらキリがない。
それにしても、少年時代に黒澤氏が観た光景の描写は、表現力が豊か。
特に兄丙午氏及び、関東大震災のエピソードは、実に生々しく、
どれほどの影響を及ぼしたかが伝わってくる。そして、弟-兄の関係。
黒澤明少年より強烈な個性を持っていた兄はその後・・
読み物としてもかなり面白いです。黒澤作品を観て、黒澤明って
どんな人なんだ?って思ったら、是非とも読んでみてください。
なお、俳優の土屋嘉男氏(「七人の侍」で若い農民の役で出演)の
「クロサワさーん!―黒沢明との素晴らしき日々」では、黒澤監督に
寵愛された氏から見た、人間的な部分が色々と触れられていて、
とても楽しい読み物。こちらも是非どうぞ。