立て続けに葉室麟の作品を読んだ。
『星火瞬く』
『刀伊入寇』
そしてこの『蜩ノ記』
同じ葉室麟作品(『橘花抄』『川あかり』)のレビューでも記した通り“理不尽に立ち向かう正義”というテーマは
いずれも共通している。
そして、この3作品の中では本書が最もストレートに“正義”を表現している葉室麟ならではの作品と言えよう。
主人公 秋谷はどこまでも実直で、清冽で、しかし虐げられた人々への想いは優しさにあふれ、熱い。
そして淡く切なく実らぬも凛とした慕情を胸に秘めながら、泰然と腹を斬る。
これぞ、“葉室ワールド”である。
但し、他のレビューアーが指摘の通り“藩内のごたごたや人間関係の説明が少々煩わしい”のも事実であり
残念ながら葉室麟のBest of Bestとは言い難い。
葉室麟これまでのBestは『銀漢の賦』か『橘花抄』か、あるいは『いのちなりけり』か?
未読であれば是非!