正義の味方が無欲でなければいけないなんて誰が決めた、
という主役の声が聞こえてきそうな作品。
いや違った、彼、蜜柑次郎は正義の味方というわけではない。
金になると思えば動くし、豪華料理が出ると聞けば飛んで
行く。その過程で払いのけたゴミに悪いやつがいた、という
だけのことである。
彼にとってトラブルを解決して人から感謝されるのは、気に
すべきところではないのだ。
ともに旅をする、呪いをかけられたカエルが常識人なだけに、
蜜柑次郎のせこさが際立って面白い内容になっている。
(まともな正義の味方も出てくるが、やや天然である)
ただ、時折そんな彼にも暗い影が差す。
後悔にとらわれている過去がある。
彼がその後悔から救われる相手と出会うことはあるのだろうか。
蜜柑次郎の天上天下唯我独尊ぶりに笑い転げながら、ふと
それを気にさせる作品である。
もしかしたらもう、出会っていることに気づいていないのかも
知れないが。