レオン、バットマン、レイン・フォールと、実は刑事役も多いオールドマンですが、
今作ではそのどれとも似つかない、善でも悪でもない、純粋な人間を演じているだけに、
ホントのオールドマンの演技力が光ります。
また、レイン・フォールやクリスマス・キャロルと、最近になって安原さんが吹き替える機会は
増えましたけど、やっぱりちょうどこの時代のオールドマンが一番マッチしています。
そして殺し屋モナ、今までの魔性の女といえばマドンナ、シャロン・ストーン、ニコール・キッドマンと違い、
まるでダーク・ナイトのジョーカーを女にしたみたいな、色気うんぬんどころか、不気味。
内容は安い賃金で命を張ることに嫌気をさした刑事が夢を叶えるために
ギャングへの垂れ込みで大金をかき集めていたが、次第に罪の意識や夢の事も忘れいた中、
自分の垂れ込みで死ぬ筈だった殺し屋モナが魔の手を逃れてしまったが為に
金も妻も愛人も友も全て失い、今度は自分の命が危うくなって、
初めて愛する人がそばにいてくれたことこそが幸せだったことに気づく。
特にオールドマンが返事が返ってこないのにナタリーの名前を
何度も飽きることなく呼び続ける幸せそうな表情と、そのずっと後で
妻のナタリーも「お金で幸せは買えないと言うのは嘘」と悲しそうに語るのも、
今後の展開とリンクしているだけに、結末を知ってからまた見ると
悲しくなってくる。
「幽霊を見たことがあるか?」
最初のこの台詞は最初見たときはてっきり自分の過去を指していたと思っていたが、
見返してみると、実はこれがラストへの伏線であったことに気づく。
その言葉の意味を知ると、最後の「いつもはもっと長く居てくれるんだが…」
という言葉と共に、妻の帰りを待ち続ける男の姿に思わず涙が流れてくる。