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蜘蛛女のキス (集英社文庫)
 
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蜘蛛女のキス (集英社文庫) [文庫]

マヌエル・プイグ , マヌエル・マヌエル・プイグ , 野谷 文昭
5つ星のうち 4.6  レビューをすべて見る (14件のカスタマーレビュー)
価格: ¥ 920 通常配送無料 詳細
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商品の説明

出版社/著者からの内容紹介

きみは蜘蛛女だね。男を糸でからめとる…。ブエノスアイレスの刑務所の中で生まれた、テロリストとホモセクシュアルの男との、妖しいまでに美しい愛、巧みな会話体で綴る衝撃の話題作。
--このテキストは、絶版本またはこのタイトルには設定されていない版型に関連付けられています。

内容(「BOOK」データベースより)

ブエノスアイレスの刑務所の監房で同室になった二人、同性愛者のモリーナと革命家バレンティンは映画のストーリーについて語りあうことで夜を過ごしていた。主義主張あらゆる面で正反対の二人だったが、やがてお互いを理解しあい、それぞれが内に秘めていた孤独を分かちあうようになる。両者の心は急速に近づくが―。モリーナの言葉が読む者を濃密な空気に満ちた世界へ誘う。

登録情報

  • 文庫: 464ページ
  • 出版社: 集英社; 改訂新版 (2011/5/20)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 4087606236
  • ISBN-13: 978-4087606232
  • 発売日: 2011/5/20
  • 商品の寸法: 15.2 x 10.6 x 2.2 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.6  レビューをすべて見る (14件のカスタマーレビュー)
  • Amazon ベストセラー商品ランキング: 本 - 197,342位 (本のベストセラーを見る)
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9 人中、9人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:文庫
この本をはじめて読んだのはもう20年近く前になります。
それ以来、数年ごとに読み返す宝のような本です。
挿入される映画の題材がまた秀逸。

ラテンアメリカ文学というのは、土着的で民俗的で神秘的要素があって、同時代のノーベル賞作家ガルシアマルケスなどけっこう読みづらいのですが、プイグは彼らとはまるで違う小説家。
映画オタクともいえる映画の知識がこの作家の根底を作っていて、彼自身の実体験である映画への愛情、同性愛者としてのマイノリティの哀しみ、軍事国家の政治的恐怖が行間から浮かび上がってきます。稀有な作家でした(エイズで既に没)。

国名は明かされませんが、アルゼンチン、多分プエノスアイレスが舞台。
若き革命家でブルジョア出身の青年バランティンとホモセクシュアルの中年男モリーナの監獄での会話物語。
主軸は彼らの会話と、ホモセクシュアルのモリーナが語る映画の話。
閉ざされた中で語られるモリーナの映画のストーリーは、その語りの上手さも相まって映像がそのまま目の前に広がるよう。
甦るゾンビ女(この邦題すばらしい!)、ナチ宣伝映画、黒豹女(ナスターシャキンスキー版のリメイクではないオリジナル版、多分)、etc.。どれもこれもいわゆる名作映画とは違いますが、その限りないB級感がまた哀しみと切なさを倍加させて、つかの間の現実逃避としての夢物語の様相を呈していきます。モリーナが告白する場末の安っぽい片思い話も、愚かさ故にいとおしい。

政治的であることを拒否するモリーナと、政治的に生きることを命題として自らに課しているバランティンが徐々に心を許しあう過程は、同性愛とか異性愛とかを越えて、あまりに純粋であまりに刹那的で、これこそが究極の恋愛なんだろうなと心から感じ入ってしまいます。
バランティンが語る国を思う革命思想も禁欲も、監獄の中でモリーナが彼のために差し出す1さじミルクペーストや一杯の紅茶に比べたら霞んでしまう。モリーナの見返りを求めない尽くし方が身につまされます。
限りなく軽くて重い小説、こんな本を書けるのもプイグ自身の転々とした亡命生活が生み出した思想的なものがあるのでしょうか。

この描写、この表現力、この会話文の上手さ、翻訳の野谷文昭さんの文章にも敬意を評したい。

ウィリアムハートと故ラウルジュリア主演の映画もとても良く出来た映画です。
このレビューは参考になりましたか?
20 人中、18人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:文庫
 小説の舞台は、終盤十数頁を除き、政治犯と性犯罪者の二人が収容される監房。内容の大半は、シネフリークの性犯罪者が語る映画の世界である。

 語られる6作の映画には実在するものも含まれるが、いわゆる”名画”はない。それらが囚人の言葉になると、珠玉の作品のように輝く。文章で読みながらも、文章表現であることが信じられないほどの像を結ぶ。閉ざされた監房に、異国の風、妙なる歌声、美しいロマンス、を運んでくる。二人の囚人たちの心理的距離も徐々に縮まり、束の間、重なったかと思われるが・・・。

 一方、甘美な映画とは対照的に、小説の中でさえアルゼンチンの現実は甘くない。政治囚に対する当局の執念は凄まじい。それに伴う緊張感も並ではない。

 結末のインパクトのために全てがある、といった類とは一線を画し、この作品には美しいディテールに加えて、一流のサスペンスがある。やるせなく重い「ハッピーエンドの夢」は、作者の人間理解を示すようだ。人と人とがわかり合うとは、錯覚なのか、奇跡なのか。夢は余韻を残す。

このレビューは参考になりましたか?
12 人中、10人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
対比と交差 2005/9/24
By "neneh"
形式:文庫
バレンティンの、革命で世界を変えるという滅私的理想と男性性、そしてモリーナの極私的夢想と女性性は、対比的な位置に置かれながら徐々に交わり、溶け合う。
物理的に閉じられた世界で。語られる映画や過去という、精神的な世界で。言葉と体を伝って。

そのコントラスト、交差し溶け合った糸がお互いの色を交えながらまた二つに分かれて行く様を、会話で…!?いや寧ろ、会話でなければならなかったか?

淡々と語られ、当然というように静かに終わるが、読んでるこっちも蜘蛛の糸に絡め取られて、なかなか抜け出せないのよね…。
年齢設定からしてリアルなゲイの話が、ここまで幻想的に美しく響くとはなあ。静かなのに全然飽きないし。
静かなる名作の求心力、凄いですな。

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最近のカスタマーレビュー
小説も翻訳もいい
ホモセクシャルな小説。実によい。なお翻訳もいい。私はプイグの本は無知にもこれしか知りません。それでもオススメできます。
投稿日: 3か月前 投稿者: Fodderstompf
映画もよくできています
1979年に出版され、1985年に映画化された蜘蛛女のキス スペシャル・エディション (2枚組)... 続きを読む
投稿日: 7か月前 投稿者: 日出
起きたことはそのまま受け入れる。そして自分に起きたいいことは大事にする,たとえ長続きしなくてもだ。
 プイグは南米(アルゼンチン)の作家ですが,マルケスやリョサといったいかにも南米の雰囲気ムンムンという作品とは違い,... 続きを読む
投稿日: 11か月前 投稿者: みやさま
唯一泣いたフィクションです
多感だった10代に夢中になって読みました。... 続きを読む
投稿日: 2008/1/19 投稿者: ましん
買いです。
映画化されたこともあって、プイグの最も有名な作品なのではないでしょうか。全編ほぼ対話によって構成されており、その積み重ねで少しずつ状況を明らかにしていく手法はプイ... 続きを読む
投稿日: 2007/6/7 投稿者: yoshioki6
ふたりの愛
マヌエル・プイグは映画監督になりたかったらしい。

ぼくはセルロイドのフィルムになりたかった... 続きを読む
投稿日: 2007/2/3 投稿者: rocco読書中
ほぼ全編対話体
作者は、脚本家や映画監督を目指してた人のようです。だから、ああいう形式になるのだと言われてるようです。... 続きを読む
投稿日: 2006/11/9 投稿者: モンスーン
シチュエーションの勝利
南米の刑務所の中でおかまとテロリストが恋に落ちる、というシチュエーションだけでも面白いし、すごいなぁと。モリーナの話す映画の話もロマンテックで良かったし。もともと... 続きを読む
投稿日: 2005/11/12 投稿者: カラマル
先生、ここには妖気が漂っております!
極めて妖しい作品。「怪しい」ではなく「妖しい」です。獄中での同性愛を扱った作品だが、下手をすると話にならないぐらいの低レベルになるはずが、プイグにかかれば良質の恋... 続きを読む
投稿日: 2003/11/12 投稿者: 電気鰻の蒲焼
妖しさ満載
とにかく心に残る作品です。何度でも読み返したくなる、と言うか一度では読み切れない難しい部分もあり(笑)。... 続きを読む
投稿日: 2001/9/19
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