内容は内ゲバ事件に倒れた諸派の活動家、当時の状況や襲った党派との対立点などについて幾人もの事件をつづったもの。
筆者はいわゆる青ヘルの幹部だった人物。自戒を込めとにかく第三者的に諸事件をフラットに報告したものだ。
これをして内ゲバの克服に資そうとか、自己批判まみれ坊主ざんげの羅列のような境地から書かれたものではない。
当時はこうした細かい「新聞報道のような」事情が表には出ず、ひたすら襲った党派は「誇大妄想狂」のように機関紙で報じ、対するに襲われた側はいかにも「痛くもかゆくもない」かのように装うといった、よく言えば宣伝戦略。悪く言えば負け惜しみでしかレッキとした殺人事件の重みを手先で片付けてきた。
そうしたやる前もやった後も、人命軽視の日常化があれだけの支持を自ら振り捨てて来て今にちに至った。
先に触れたがこの本の意味はそうした取り繕いでもなんでもなく、当時、当然周知でなければならないヒトの痛みや、同士を失った重みをそのまま伝えたという(だけの?)意味。それだけでも貴重な、知っておくべき文献なのである。
自分自身も、当時報じる立場にあった者として、この程度の事実経過を明らかにしようとしただけの筆者が、執筆中に某派(複数?)からの脅迫や妨害を受けたようだが、イカニモあいつらなら…と、こうした行為を遮ってきた卑怯者どもの”いまだ健在”ぶりを知り、あえて、『それならば出版の価値あり』と、本書の存在価値を”追認”するプロモーション結果となっているのは痛烈な皮肉である。
負けずにもっと続編を書いて欲しい。