登録情報
|
二部の終わりの香澄の突然の死により物語の語り部は「真魚子」に代わります。
そして舞台は揃い、香澄の母の死の真相、暁臣の姉の死の真相が語られる事に・・・。
真魚子が加わることで物語に心の内部、憎しみ・嫉妬・愛情・憧憬など二部までにない深さが出てきます。
恩田さんの作品は文章を読んでいると川の流れる音や木漏れ日、少女達の風景などが驚く程鮮やかに浮かんできます。
何となくこの「蛇行する川のほとり」と共に私の一夏も終わった感じ・・・。
恩田さんの作品で言えば「木曜組曲」と「ネバーランド」を合わせたような雰囲気かな。
入院した鞠子に代わって、真魚子が「船着き場のある家」での合宿に加わる。真魚子は、演劇祭の舞台背景の製作を手伝うと同時に、第三者として、10余年前に起こった事件の真相に関する物語を見届ける役目を負うことを決める。
野外音楽堂に完成した舞台背景を運びこんだ後、芳野と月彦が舞台に上がる。香澄の母親が死んだ事件について、月彦が迫る真相と、疑問を挟む芳野との間で応酬が展開される。そしてまた、暁臣の姉が死んだ事件の真相が芳野と暁臣によって明かされる。
最後に、芳野は香澄の父親の前で香澄を演じ、母親を殺した犯人と動機を芳野なりの想像で語り、父親に別れを告げる。
終章「hushaby」は、時間的には第二部の雨上がりの朝に戻り、香澄の視点で語られる。
その前夜、母親の死の全てを鞠子に語り、香澄の中の少女と女が一つになった朝、香澄は子供の頃からずっと言えなかった一言を芳野に言うことに決める。
どの1冊も1時間程で読み終えられる短さと軽さを持ちながら、少女から大人への変化を見事な筆致で描いている。また、3分冊という発行形式がミステリィの妙味を引き立たせており、彼女の物語の語り手としての力量を再認識させられる作品である。
子供のときの、夢の中のような、ぼんやりとした記憶のなかの殺人事件。
1巻を読んだとき、背景程度に扱われていたこの事件の解決が、とても納得のいく形でされていて、意外なのと同時に感心しました。ここに視点を据えて読んでいたら肩透かしなんてことはないと思います。
少年少女たちの人間関係に焦点を当てて読むと、ちょっと消化不良の感が残るかも。
最後のエピローグは、香澄の視点で、嬉しかったのとともに、何もかも納得がいって、かなりスッキリした気分になれました。面白かったー。
|
この商品のクチコミ一覧
クチコミを検索
|
関連するクチコミ一覧
|