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著者のあとがきで書かれているが、作品は「うそ」で書かれ、そして「本当」でも書かれている。
とりわけこのバランスが絶妙で、理解しようとする努力もあっさりと放棄すると、その独特な世界観をもって受け入れられる。
この世界観に浸れるかそうでないかで、作品に対する評価がわかれるところか。
浸れれば不思議と心地よさを得られ、避けてしまえばきっと読むのも苦痛に変わってしまうだろう。
事実、芥川賞選考の際にも選考委員の間でも評価が大きく割れたと記憶している。
3つの作品をあえて好き嫌いで分けるなら、わたしは『惜夜記』を1番好きな作品に挙げる。
『惜夜記』は黄昏から夜明けまでを、2~3ページの技巧的な短編の積み重ねで綴るのだが、これが不思議と淡白で面白い。
著者は何とは断言できないが、読者がゆだねられる何か不思議な魅力を持っているのだと思う。
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