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もう一つは、この作品でも顕著でしたが、
人間のもっとも醜い感情を
大変リアリスティックに描き出すことに非常に長けている一方で
同時に人間の尊厳というか美しい面もナチュラルな形で
描き出せることです。この作品の場合主人公の女性の
心根の美しさ、と精神の強さ、さらにはそれにふれて
変わっていく人々、ですね。
醜い感情があふれている世界でなおかつ
このような美しい精神を描き出せることに
敬意を表しますし、そのためいつでも読後感は
大変さわやかで、この世界に何らかの希望がもてるような気がします。
プロット作りも見事です。今まで一度も(ハードカバーでも)
買って損したと思ったことはありません。今回も例外ではありませんでした。
なぜに20年も?の疑問は最終章までつきまとう。
その疑問が、解けそうで解けなそうでの微妙な歯がゆさに次々と頁はめくられ…
わかった気になりつつあったところに飛び込む最後の「手紙」。
これにて一気に5つ星。
「お見事…」と呟き、涙をかみしめ読後を味わおう。
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