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フジファブリックは過去四枚のシングルをそれぞれ「春」「夏」「秋」「冬」と四季をなぞるようにリリースした。彼らのメロディアスでどこか影のある曲風と、レトロでセンス溢れるビジュアル面でのアプローチが次第に話題になり、シングルのリリースを重ねるたび、つまり季節を追うごとに彼らはファンの数を増やしていったことになる。
僕のフジファブリックに対するイメージは「ブラック」であった。Vo.志村の何かを悟ったかのような、無気力で無表情で無感動な歌い方は志村冥利に尽きるといった所だろう。シングル『銀河』では彼の喪失感漂うボイスとキャッチーなメロディーが奇跡的とも言える完璧な融合具合を見せつけている。この『銀河』の時点でフジファブリックの方向性は一貫しており、バンドとして完成したと僕は思っている。次に必要なことは「新しいこと」であった。
今作『虹』で彼らは大きな動きに出た。今まで決して出すことの無かったポップなイメージを表に出してきたのである。PVではメンバーが路上を転げ、なんと志村が笑った。正確には苦笑いだが、これは大きなイメージチェンジである。僕の持っていた「ブラック」というイメージは払拭されてしまった(カップリング曲『ダンス2000』では健在)。
しかしキーボードとギターによるキャッチーなメロディーは変わらず、フジファブリックとしての一貫性のある主張を感じることができる。
『虹』はフジファブリックの延長線であると思う。この曲でフジファブリックのファンになった人がいるなら是非過去の四枚のシングルを聞いていただきたい。フジファブリックのバンドとしての引き出しの多さと一貫した主張、そして精一杯「ブラック」を感じて欲しい。
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