この本を読み終えたとき、「風穴が開いた」と思いました。
BARやCLUB文化が華やかかりしゲイコミュニティにおいては、お金を持たない者が「孤独」に陥って行く傾向を本書は鋭く指摘。結果、「貧困」と「孤独」とが表裏一体のものとなり、「孤独」に陥った若者が、ある者は自傷行為に走り、またある者は人権利権と結びついたゲイリブ(本書内では「虹色カルト」と名づけられている)の歩兵として動員されていく・・・。その仕組みと過程を克明に物語っています。
こうしたゲイリブの旧態依然とした体制を批判するとき、その批判は本当は「体制」への批判なのに、なぜか「ゲイリブそのものへの批判」とすりかえられて受け取られることがとても多かったように思います。
この本の画期的なところは、本書内で批判されるのはそうしたゲイリブの「体制」であって、ゲイリブそのものではないという立場を明確にしたところで、批判の作法を心得ているところです。
大切なのはリブよりも自分の生活だし、そもそもリベレーション運動というものは「自分の生活を良くするため」の運動なのであって、組織のために自分の資源を滅私奉公するような運動を「カルト」とまで言い切った本書には脱帽。拍手を送りたい気持ちです。
ぜひ、これからコミュニティに出て行く若い世代の方たちなどに読んでいただきたい一冊です。