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虹の谷の五月(上) (集英社文庫)
 
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虹の谷の五月(上) (集英社文庫) [文庫]

船戸 与一
5つ星のうち 4.0  レビューをすべて見る (8件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

商品の説明

第123回(平成12年度上半期) 直木賞受賞

出版社/著者からの内容紹介

フィリピンのセブ島に祖父と暮らす13歳のトシオ。丸い虹がかかる谷をめぐり、彼はゲリラの抗争に巻き込まれていく。成長を遂げていく少年に託した冒険巨編、第123回直木賞受賞作。(解説・小田光雄)

登録情報

  • 文庫: 464ページ
  • 出版社: 集英社 (2003/5/20)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 4087475727
  • ISBN-13: 978-4087475722
  • 発売日: 2003/5/20
  • 商品の寸法: 15.2 x 10.4 x 2 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.0  レビューをすべて見る (8件のカスタマーレビュー)
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形式:文庫
フィリピン・セブ島で、闘鶏を生業とする祖父と暮らすトシオ。13歳から15歳の五月の出来事を描く。

フィリピンに特に興味はないし、歴史もほとんど知らないけれど、とても楽しく読めた。そして「人民軍」「マルコス」「アキノ」などについてもっと知りたい気持ちになる。それだけ、物語の魅力が強烈だということだろう。

クイーンのホセに対するアンビヴァレンスな想い。戦い続けるホセの強靭な信念。周囲に惑わされることなく、正しさを理解しているトシオとメグの清廉さ。ラストのじっちゃんの行動。

人々の真摯な気持ちは、読み手の心を強く揺さぶる。トニアやラモンの弱さでさえも。

また、暗殺者や誘拐犯に立ち向かうホセの戦いぶりは見事で、情緒的なものだけでなく、手に汗握る戦闘シーンでも読ませる。かっこよすぎるよ、ホセ!

唯一ひっかかるのが、トシオと彼をとりまく「主人公側」の人々が、あまりに善人すぎるところ。「フランダースの犬」の主人公に対するのと同じイライラを感じてしまう。逆にそれ以外の人々は下劣で野卑な人間ばかり。「善」と「悪」とに二極していて、その構図はちょっと時代劇っぽい。

まあ、そんなこと、壮大な物語を前に、たいしたことじゃ全然ないんだけど。

下種のかんぐりで、その後のメグがどうなるのかが、気になる!
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虹は出るのか 2003/8/29
By くま
形式:文庫
フィリピン・セブ島ガルソボンガ地区に祖父といっしょに住んでいる日本人との混血児13歳のトシオの98年から2000年までの物語。現代フィリピン辺境では、人々は拝金主義にまみれている。新人民軍というゲリラでさえ、革命税といいながら、貧乏な家からも強制的に金を徴収する。たった244人の地区なのに地区長選挙に買収が横行する。街の警察所長も金で動く。その中で元抗日人民軍だった祖父の薫陶よろしく、トシオは純粋な少年に育っていた。

虹の谷はまんまるい虹が出る谷だという。しかしそれは乾季の5月に出ない。この物語はしかし全て5月に起こったことしか扱っていない。よって上巻を読む限りではその虹は現れない。しかし私にはその虹がこのフィリピンの一地区の失われた「誇り」の様に思える。まるで知らない地域ではあるのだが、日本とは生活習慣も政治も違うのだが、だからこそ、少年の不正を許さない気持ち、エイズになった知りあいの女性へ村の男たちがしたことへの憤りがびしびしと伝わってくる。少年は誇り持った青年になるのか、ガルソボンガ地区は生まれ変わることが出来るのか、まんまるい虹を見ることは出来るのか、下巻に期待したい。

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形式:文庫
船戸与一の小説を最後に読んだのは、かれこれ10年以上前のことだろうか?彼の描く世界は突然の死であり、それは主人公にも適用される。俺の中で、主人公=死という、彼の小説の構図が受入れられなくなり読むのを止めた。そして久々に「虹の谷の五月」を読んだ。そして一気に読み終えた。何よりも俺をほっとさせたのは、強く生きる人間の希望と誇りが切実に描かれていたことである。成長する少年のすがたを見事に描いた作品である。子育て論として、R. B. パーカーの「初秋」も良いが、船戸流子育てもワイルドで良いのではないのだろうか。俺的には「山猫の夏」のラポーゾと、この本の主人公が何故かだぶってしまった。船戸作品を読んでない方も、怒濤の勢いで読むべし。
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