かつて信州で、男性たちが目を輝かせて蜂の子取りの楽しさを語ってくれた。伊那に行くと、蜂の子だけでなく、イナゴやザザムシが小鉢で出された。つい先日訪れた飯田の小料理店では、クマバチの成虫が素揚げになって出てきた。
ある人は、「山の中で動物性蛋白が少ないから虫を食べるんだ」と知ったかぶりをした。
本書の中では糞虫の幼虫やカメムシまでが食べられており、それらは牛肉よりも高価で取引されていることが記されている。
虫を食べること、それは貧しさのせいでも、ゲテモノ食いでもなく、季節の移ろいや虫たちの生態を楽しみ、自分自身が自然と一体になる=自然とともに生きていることを実感する=ためのいわば「遊び仕事」なのだと、本書を読んで改めて確認した。