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宗近くんと小野は、ともに藤尾に対して結婚を申し込もうと考えています。藤尾は小野のことを憎からず、と思っていますが、その才覚ゆえに素直にはなれません。甲野さんと糸子も、お互いが気になっています。一方小夜子は父とともに、小野と結婚するため京都から上京してきます。藤尾に翻弄されている小野は優柔不断で・・・。
近代人の代表として描かれる藤尾、昔ながらの道理の代表として描かれる小夜子、そしてその間で揺れ動く小野。当時随一の近代人だった漱石による近代批判・問題意識が、この作品でも読み取れます。文明の発達はいろいろなことに気を紛らわし「生か死か」の選択を先延ばしすることを可能にしているが、いつか必ずツケは払うことになる、そんなメッセージを読み取りました。
作家として歩み始めた漱石の、初の新聞連載小説ということもあって、漱石の意気込みが伝わってきます。和漢洋すべてにおいて教養の深い漱石の筆致は、やや難解で読みにくい部分もありますが、中盤にストーリーが動き出してからは、一気に読めます。登場人物の会話のやり取りも素晴らしく、その内容の深さはいまだ色褪せていません。
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