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虞美人草 (新潮文庫) 文庫 – 1951/10/29


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内容紹介

大学卒業のとき恩賜の銀時計を貰ったほどの秀才小野。彼の心は、傲慢で虚栄心の強い美しい女性藤尾と、古風でもの静かな恩師の娘小夜子との間で激しく揺れ動く。彼は、貧しさからぬけ出すために、いったんは小夜子との縁談を断わるが……。やがて、小野の抱いた打算は、藤尾を悲劇に導く。東京帝大講師をやめて朝日新聞に入社し、職業的作家になる道を選んだ夏目漱石の最初の作品。

登録情報

  • 文庫: 416ページ
  • 出版社: 新潮社; 改版 (1951/10/29)
  • 言語: 日本語, 不明
  • ISBN-10: 4101010102
  • ISBN-13: 978-4101010106
  • 発売日: 1951/10/29
  • 商品パッケージの寸法: 15.6 x 11 x 1.2 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.3  レビューをすべて見る (21件のカスタマーレビュー)
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31 人中、25人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。 投稿者 bluepasta 投稿日 2002/8/22
形式: 文庫
才気溢れる女性藤尾、その兄で哲学者の甲野さん、外交官浪人中の宗近くん、その妹糸子、将来を嘱望される小野、小野の恩師の娘小夜子の6人を中心に話は展開します。
宗近くんと小野は、ともに藤尾に対して結婚を申し込もうと考えています。藤尾は小野のことを憎からず、と思っていますが、その才覚ゆえに素直にはなれません。甲野さんと糸子も、お互いが気になっています。一方小夜子は父とともに、小野と結婚するため京都から上京してきます。藤尾に翻弄されている小野は優柔不断で・・・。
近代人の代表として描かれる藤尾、昔ながらの道理の代表として描かれる小夜子、そしてその間で揺れ動く小野。当時随一の近代人だった漱石による近代批判・問題意識が、この作品でも読み取れます。文明の発達はいろいろなことに気を紛らわし「生か死か」の選択を先延ばしすることを可能にしているが、いつか必ずツケは払うことになる、そんなメッセージを読み取りました。
作家として歩み始めた漱石の、初の新聞連載小説ということもあって、漱石の意気込みが伝わってきます。和漢洋すべてにおいて教養の深い漱石の筆致は、やや難解で読みにくい部分もありますが、中盤にストーリーが動き出してからは、一気に読めます。登場人物の会話のやり取りも素晴らしく、その内容の深さはいまだ色褪せていません。
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34 人中、25人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。 投稿者 RoseWater 投稿日 2010/11/18
形式: 文庫
この本は、評価が非常に難しいんですよね。
実は漱石の中で何度も読み返すのが、虞美人草と「それから」。

で、虞美人草ですが、ストーリーというか、展開というか、これ漱石じゃなかったらもっと辛口に叩かれていると思う。実際正宗白鳥はかなり辛らつに批評してますが。。
文体の美麗さにごまかされてますが、漱石自身藤尾が大嫌いというようなことを言ってますので、ヒロインに全く愛情がないわけです。悪女、それ以外の側面を全く見ようともしません。
まるで少女漫画の悪役の女の子扱い。
でも人間というのは、一方の片面からだけ描写しても全く面白くないんですよ。
善人と悪人をはっきり分けて、悪人は悪人としてしか描かない。だから内面もなにもかも「悪」としてしか書いていないからすごく底が浅いのです。
藤尾とその母は、悪の側。すべて悪意ある表現で描かれ、しかもそれがあまりに単純なんですね。
かたや甲野、宗近、その妹、小夜は善を代表して悪意のない存在として描かれる。

主人公である小野さんが、都会で学問によって世に出ようとして、それを支援してくれる財力の象徴として藤尾に引かれ、藤尾は藤尾で人間の本質を理解できないバカなので、小野さんの野心もなにも理解できず、ただ「学者として有望。詩的である」と勘違いして小野さん
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11 人中、8人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。 投稿者 yaginuma 投稿日 2007/7/19
形式: 単行本
明治43年(1910年)に発表された、夏目漱石の第一作目の長編小説です。甲野藤尾、甲野欽吾(藤尾の兄)、宗近一、宗近糸子(一の妹)といった、思考や行動の様式を異にする人物達を巡って物語は展開されます。その中心となるのは、発表当時では稀であったであろう、行動において自らの信念を貫く藤尾という女性です。しかし彼女は、自らの信念と周囲との軋轢の結果であるかのような最期を迎えることになります。漱石が藤尾を女性としてどのように考えていたかについての議論が多く見られますが、それはこの作品の文学的価値を見誤る危険性を秘めているのではないでしょうか。
第一作目の故か、文章の隅々に漱石の意欲と苦心が見られます。それは、過剰なまでに装飾された文体、冗長に過ぎる程の人物の描写に現れています。発表時には、こういったことに対して、藤尾という女性に対する反発と共に批判が少なくなかったようです。しかし、『明暗』に至るまでの漱石の作品に接することができる現在では、終生作家が抱き続けることになるテーマと、徐々に洗練されていく文体を、この原石の中に見て取ることができます。そのように考えると、この作品を読むことは、極めて興味深い体験となります。
この作品を読み終えて感じたことは、漱石が残した大きな文学遺産が受け継がれていないのではないかという不安です。現代の日本文学においては、一人の人物の価値観のみ
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6 人中、4人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。 投稿者 冬物語 投稿日 2011/12/18
形式: 文庫
●本書の主要な登場人物は次のとおりである。

(1)小野:天涯孤独の身の上。大学卒業時に銀時計を貰ったほどの秀才。現在、博士論文執筆中。友人の欽吾の妹の藤尾との結婚を望んでいる。

(2)甲野家(欽吾、義母、義妹の藤尾)
 ・欽吾は小野の友人の哲学者。友人の宗近の妹の糸子を憎からず思っている。
 ・甲野の母は、義理の息子の欽吾を疎ましく思っている。実の娘の藤尾を小野と結婚させたがっている。
 ・藤尾は、美貌で虚栄心の強い女性。かつては宗近との結婚話もあったようだが、今は秀才の小野との結婚を望んでいる。

(3)宗近家(一、父、妹の糸子)
 ・宗近一:小野の友人。外交官を目指している。
 ・宗近父:息子の一と藤尾を、娘の糸子と甲野欽吾を結婚させたがっている。
 ・糸子:甲野欽吾を憎からず思っている。

(4)井上家(弧堂、小夜子)
 ・弧堂:小野の学生時代の師。娘の小夜子と小野を結婚させるため京都から東京にやってきた。
 ・小夜子:小野と結婚するために父と共に東京にやってきた。小野をを憎からず思っている。

●本書を一言で言えば、上記の人々の間で巻き起こる、それぞれの思惑や野心に基づく葛藤や衝突を、クラシカ
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