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虚構推理 鋼人七瀬 (講談社ノベルス)
 
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虚構推理 鋼人七瀬 (講談社ノベルス) [新書]

城平 京
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商品の説明

内容説明

<本格ミステリ大賞受賞作!>
深夜、悲運のアイドルの亡霊は鉄骨を片手に街を徘徊する。
その都市伝説の名は――鋼人七瀬。

「そんなのは推理じゃなくて、欺瞞じゃない!?」
真実を求めるよりも過酷な、虚構の構築。
自身もまた怪異的な存在である岩永琴子の推理と知略は
本物の怪異が起こす事件を止めることができるのか!?

終始ゾクゾクしっぱなし……息もつかせぬ物語とはまさにこのことだと思います。意外な展開、予想外な事実、桁外れな人物、奇妙な現実、異様な虚構、奇想天外な“戦い”――。絶妙に狙い澄まして放たれる数々の“驚き”の奔流に溺れそうになりましたが、エラ呼吸を会得することでどうにか事なきを得ました。
のちの半魚人である(←新しい都市伝説)。
――『僕は友達が少ない』の平坂読氏推薦!!

「本格」の今後が有する可能性を大きく押しひろげた一作(作家・氷川透)
ただただ作者の才能に嫉妬するばかり(作家・黒田研二)
おおおお前を倒すのはこの俺だ!(作家・汀こるもの)
内奥に錨を下ろした論理、奇矯でありながらつらぬかれたロジック。破格のミステリ(作家・辻真先)
辻褄の合った論理こそ、時には真実から最も遠ざかるものではないか――(書評家・千街晶之)
驚きを通り越して爽やかな敗北感さえ抱かされた(作家・太田忠司)
「真相」の意味について刺激的な考察を展開(作家・大山誠一郎)
「本格ミステリのロジック」の持つ魅力と危うさを純粋培養したような小説(作家・光原百合)

内容(「BOOK」データベースより)

「そんなの推理じゃなくて、欺瞞じゃない!?」真実を求めるよりも過酷な、虚構の構築。自身もまた怪異的な存在である岩永琴子の推理と知略は本物の怪異が起こす事件を止めることができるのか。

登録情報

  • 新書: 288ページ
  • 出版社: 講談社 (2011/5/10)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 4061827685
  • ISBN-13: 978-4061827684
  • 発売日: 2011/5/10
  • 商品の寸法: 17.4 x 11 x 2 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 3.7  レビューをすべて見る (11件のカスタマーレビュー)
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 岩永琴子が桜川九郎と初めて出会ったのは、17歳のとき。彼女が通院した病院に、入院患者の見舞客として来ていたときだ。そのとき彼には、弓原紗季というひとつ年上の彼女がいた。しかし、彼に一目ぼれしてしまった岩永は、彼が彼女と別れるのをじっと待ち、そしてついに告白の機会を得る。

 それから二年半、紗季はある地方都市で交通課の女性警察官となっていた。その街に、鋼人七瀬という都市伝説が蔓延する。スキャンダルにより芸能界を追われたグラドルが多数の鉄骨に顔面を潰されて死に、死後にアイドル衣装で鉄骨を振り回す亡霊となって暴れているというものだ。
 前半が完全な事実であるため、後半もまるで事実の様に語られている。実際、紗季は鋼人七瀬が原因だと主張する交通事故も処理していたし、それは真実だろうと理解してしまっていた。刑事の一部にも何らかの事件の予兆を感じて個人的に捜査を始めるものが現れた頃、紗季は実際に鋼人七瀬に遭遇してしまう。その彼女を助けたのは、岩永だった。

 一般的な推理小説は、断片的な手がかりから事実を積み上げ、論理的に真相を導いていくのが定石だ。しかしこの作品は、虚構推理という名の通り、その様な方法は採らない。すでに真相は分かっている。それを否定し、後に問題を起こさない妥当な虚構を真相として人々に認めさせるのが、この作品における名探偵の仕事だ。
 なぜこのようなことをするのか。それは、この作品における都市伝説が全くの真実だからだ。つまり、鋼人七瀬は実際に存在していて、人間を襲う。しかし秩序はこの様な存在を認めない。だからこれを否定し、常識的な真相を人々に与えるのだ。

 作者は「名探偵に薔薇を」で名探偵の苦悩を描いた。すなわち、名探偵が真相を暴露することにより、暴露しなければ傷つかないで済んだ人々を傷つけてしまうという矛盾だ。この作品では逆を行く。つまり、本当のことが明らかになると被害が増えてしまうので、あえて嘘を本当だと信じ込ませることで、逆に秩序を守ろうというのだ。この複雑に入り組んだ思考の構造がいかにも作者らしい気がする。
 ここでは登場人物たちの持つ秘密は語らない。だが、この様な異質な事件を扱う人々だ。普通ではないと想像がつくことだろう。そんなひねくれた、一筋縄ではいかないキャラたちが、虚構を用いて秩序を守る。この二重三重にねじれた世界を楽しんで欲しい。

 ということで、シリーズ化されると楽しいんだけど。
このレビューは参考になりましたか?
4 人中、3人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
これは推理じゃありません

あらすじ

深夜、悲運のアイドルの亡霊は鉄骨を片手に街を徘徊する。
その都市伝説の名は――鋼人七瀬。その彼女の正体とは?

感想

これいわゆる論理を語って推理を行う
ミステリーではありません。

だって亡霊の正体はネットを中心に生まれた人々の妄想、
「こんな設定の亡霊がいたらすごいんじゃない」
それが実現化したものという話だからです。

だから探偵役の勝利条件は、人々の妄想を鎮め
亡霊の存在を消してしまうことという珍妙なものになります。

探偵役が、圧倒的な物量のある世間の妄想に対して
より質の高い物語を提供して妄想を迎え撃つ展開は
軍事モノによくある、知略で少数が多数を打ち破っていく、
あの快感に近しい感じです。

そうか、あの展開はこのための布石だったのか。
一転二転する話の転がし方に溺れてみるが吉な一冊でしょう。

色々な意味で探偵役のライバルとなるボスキャラもいますし
おそらくシリーズ化されるであろう作品ですので
次作を楽しみにまっていようと思います。

読んでからの一言
特命リサーチ200Xに騙されたよ!!
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13 人中、9人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By K
城平さんが担当した原作漫画に馴染みがあったので手に取りました。小説は初めて。
(スパイラル小説版を読んだことはあるけどあれは漫画の影響が大きいのでここでは除外)

◆◇◆

これまで漫画で親しんでいたのもあり、
キャラクターや物語の構成の癖を感じるほどこの作品は非常にコミカルで、
ライトノベルではないのだけど、まるで漫画のような印象を受けました。
むしろこちらが本業なだけあって、
漫画では不自然なような構成(舞台演技をドラマに持ち込む程度のものだけど。)が
より自然に感じたので読みやすかったです。

最後の推理のシーン。
実際の展開の早さを感じさせるためなのかもしれないけれど、
若干駆け足のように思えました。もっと台詞の間に動きを入れてほしいような。
でもこのくらい早い方が飽きなくていいのかな。
自分が推理小説をほぼ読まないのもあると思いますが、
こういうミステリーの形もあるんだなと妙に感心した展開でした。

◆◇◆

(追記)
第12回本格ミステリ大賞受賞おめでとうございます!
また、webメフィスト「あとがきのあとがき」によると元々シリーズ化前提で、
そして続刊が出せる雰囲気とのこと。
http://www.bookclub.kodansha.co.jp/mephisto/atogaki/29/

城平さんが原作を担当されてる「絶園のテンペスト」がアニメ化するそうで
忙しくてこっちに手が回らなそうですけど、
ぜひ7年と言わず(いや冗談でしょうが。)早めの刊行を頑張ってもらいたいものです。
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