『今,ネットって,人間がどこまで最低になれるか実験をしてるでしょ』
2ちゃんねる、ブログ炎上、祭り・・・。
ネット上で匿名で繰り返される激しい攻撃といじめ。
「グローブ・ジャングル」とは公園にある丸い形の回るジャングルジムのこと。
「骨組みだけの地球を表すこの遊具は日本人が発明した。」のだそうだけれど、
・・・いま公園からは次々に遊具が撤去されベンチだけの公園が増えているという。
これは、親たちが危ないからとクレームをつけ、それを恐れた管理事務所が撤去に動いているから。
今やグローブ・ジャングルも絶滅寸前。
昔話「こぶとり爺さん」を上演しようとすれば「差別」だと言われ、
学校で上演する劇の俳優にAV出演歴があれば教育上良くないと言われる。
今は、クレームが横行し、自粛と配慮が氾濫する世の中。
ロンドンで、昔話の芝居をするため集まった若者たちも、それぞれが言えない事情を抱えて、日本から逃れてきていた。
同じ趣味の人間、気の合う人間までも”ソウルメイト”としてネットで世界中から検索して探しまわり、求め、
登場人物たちも各々がブログに心情を残すことを拠り所にして、気持ちを晒しながらも、
一度その情報が流れると、一生ネット上からは消えないかもしれない。
ネットを介すれば地球上どこからでもアクセスできる現代では、その過去は地球上どこまで逃げても追いかけてくる。
鴻上さんが、今、感じ、考えていることをタイムラグなくすぐ芝居で伝えられるように、
またそれを若い俳優たちと共有するために、旗揚げされた劇団とのことで、
まさしく、「今」が複雑に反映された芝居になっていると感じました。
劇団の解散や、芝居をすることで人を傷付けたくないとか、演劇に関することや、
劇中劇やダンスもあり、日本人の海外生活など、本当に盛りだくさんの内容になっています。
これを、劇団の平均21.7歳というフレッシュなメンバーが、魅力的に演じており、素直に感動しました。
何より温かみを感じます。
グローバルな世の中に前向きに漕ぎ出す姿が、劇団の旗揚げにも重なっていて好きです。
あまり大きくない劇場、若い俳優さんたち、小気味良く笑いと涙があって、最後はそのとき舞台上に作られた、今ここにしか存在しない世界に浸ったまま、もっと味わっていたいような、劇の終わりがなごり惜しい…そういう芝居が好きです。