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22 人中、22人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
物語を読む楽しさ,
By カスタマー
レビュー対象商品: 虚栄の市〈一〉 (岩波文庫) (文庫)
「英国版・戦争と平和」と紹介されることの多い本書ですが、トルストイのそれよりは、大分気軽で読みやすいです。ヒロインのベッキーは、のっけから、かなりのいやなやつ振りを発揮しているけれど、何故か憎みきれないし、もう一人のヒロインアミーリアは純真でけなげで、応援せずにいられません。二人の恋のお相手たちや、行く先々で出会う人々も、皆それぞれに個性豊かで、あきさせません。 当時のイギリスの歴史的な背景などに詳しければ、ベッキーの猛烈な上昇志向に関しても、また違った視点から理解できるのかもしれません。 たしかBBCがドラマ化しているようですが、ヴィジュアルが浮かんできやすいタイプの話なので、頭の中で勝手に、夢のキャスティングでドラマ化したら楽しそう。
19 人中、18人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
ベッキーが憎めない。,
By
レビュー対象商品: 虚栄の市〈一〉 (岩波文庫) (文庫)
これだけ軽やかに、華麗なまでにしたたかに生きられるというのは、関係者への甚大な迷惑は別にしてもなかなかスゴイ。ここまでくると賞賛の念にも似た気持ちがわいてしまうから困る。ベッキーに引っかかった 人々にはお気の毒だが、そもそも彼女の人間性や手練手管はドビン氏のように物事の善し悪しが 見える眼を持った人ならきちんと見抜くことが出来ているわけであるし、彼女の犠牲者達はある意味 自業自得とも言える。まことにご愁傷様なのである。 頼る人とてない孤児の身のベッキーは人生の荒波を自分で生きていかなくてはならなかったのだから、 彼女の主な獲物である良家の人々が割合ころっと騙されるのもうなずける。なにせ人生経験と意気込みが筋金入りなのだ。 ただ、自分に掛け値なしに優しくしてくれたアミーリアにだけは微妙に悪人になりきれていないのも、 私がついベッキーをひいきしてしまう理由かもしれない。それにしても、初めて読んだ頃は圧倒的にアミーリアを 支持していたのに、私も年を経て人間が丸く(?)なったのか(笑) この小説は、筋立てはもちろん、当時の英国の風俗や社会背景、階級、独身女性の生き方など、興味深い
2 人中、2人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
人間て変わらない!,
By 迷亭先生 (東京都世田谷区) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 虚栄の市〈一〉 (岩波文庫) (文庫)
読もうと思いつつ、ずっと本棚に放置してありました。
これほど面白いのなら、もっと早く読んでおけば良かった。 19世紀の英国が舞台ですが、登場人物は21世紀の日本にもいそうなキャラクターばかり。身近な友達、親戚を見回せば、思い当たる節がいくらでも出てきます。時にほろっとし、時に切ない人間模様は、人間て変わらないんだなぁと思わせてくれます。 副題は「ヒーローのいない小説」といいます。確かにヒーローはいませんが、悪女ながら憎めない主役格のベッキー、一途なドビン、ナイーブなアミーリアと親近感あふれる魅力的なキャラクターが目白押しです。 大半の登場人物はコテコテの虚栄心の持ち主ですが、それを描くサッカリーの筆遣いは実に優しい。皮肉を交えつつも、大所高所から見下ろすことがない。軽妙なユーモアにあふれながらも、安っぽくなりません。 ナポレオン戦争当時の社会を描いていくことから『戦争と平和』に擬せられるようですが、読後感はまったく違います。オススメです。
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