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虚妄の成果主義―日本型年功制復活のススメ
 
 

虚妄の成果主義―日本型年功制復活のススメ [単行本]

高橋 伸夫
5つ星のうち 3.6  レビューをすべて見る (72件のカスタマーレビュー)
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虚妄の成果主義―日本型年功制復活のススメ + 日本型「成果主義」の可能性
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   成果主義を導入したものの、思ったように効果が出ないという企業の話を耳にすることが多い。社員側からすれば、収入が下がるリスクを冒してまで、難しいプロジェクトや長期間のプロジェクトに手を挙げる意味はない。

   本書は、そんな成果主義を真っ向から批判し、日本型の年功制の利点を論じたものである。著者の高橋伸夫は経営組織論を専門とする経営学者であり、日本企業の意思決定原理や組織活性化を研究課題としている。また2002年には、日本経済新聞の「やさしい経済学」のコーナーに、日本型の人事に関する連載を行っている。そんな高橋が一貫して述べているのは、日本型年功制がいかに洗練されていてすばらしいものであるかということである。また、昨今急に“輸入”されたかにも見える成果主義であるが、その誕生は古く、現在では必ずしも欧米のスタンダードとされているシステムではないことも述べている。

   本書を読んで分かるのは、日本型の人事システムとは、目先のお金で報いるシステムではなく、次の仕事で報いるシステムだということだ。また、若者が損をしがちな古くさいシステムのように言われているが、その成り立ちは極めて合理的だということも理解できる。難解な内容ではあるが、平易な語り口で書かれているので、理解に苦しむことはない。むしろ、人事システムを語るうえであまり問題にされてこなかった部分が見えてくるため、今までの成果主義や年功制に関する論争の事実誤認が分かってくる。

   人事関連の仕事に就いている人はもちろんだが、経営のトップ、あるいは経営に参画している層の人に一読をおすすめしたい。本書は、人事システムの話だけではなく、外圧に右往左往しがちな、日本企業の経営全体に対する警鐘にもなっている。(朝倉真弓)

出版社/著者からの内容紹介

揺れるトップ、悩める人事、落ち込む一般社員におくる、学問的立場からの初の「成果主義」粉砕の書。
著者は、経営学・経営組織論を専門とする気鋭の東大経済学研究科教授の高橋伸夫氏。精力的な企業フィールドワーク、実態調査に基づく実証的な研究、鋭利な理論構築で知られる。その高橋教授が、学問としての経営組織論の最新の定説を踏まえながら、様々な企業現場でのエピソードもまじえつつ、軽妙な語り口で「成果主義」の無惨で愚かしい正体を解き明かす。草木もなびくその流行、普及を目の当りにしながも、長く「成果主義」への疑念が頭を離れなかったサラリーマンが本書を読み出せば、平明で説得的な内容に魅せられて一気に読了し、必ずや仕事への勇気が与えられるはずである。

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61 人中、53人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 成果主義の経験者だが、著者は正しい, 2007/1/5
レビュー対象商品: 虚妄の成果主義―日本型年功制復活のススメ (単行本)
学校を卒業してから約二十年、成果主義と歩合制の会社で生きてきた。脱落せずにここまで生き抜いてこれたのだから、決して敗者ではないと思う。その私が自信を持って言う。著者は正しい。

サラリーマンは多少(もちろん安すぎるのは論外)給料が安いぐらいでは会社は辞めない。だが仕事がつまらないと、すぐ辞めてしまうものである。その意味で「頑張った人には仕事の面白さで報いるべき」というのは、まさに至言。別に著者がこれまでの年功制を無条件に絶賛しているわけでないことは、多少の読解力を持つ人間ならわかるはずだ。著者はここで「完璧なあるべきモデル」を描ききっているわけではない。しかし、成果主義よりは人間の本質に近い「あるべき方向」をこの本で示しているのだ。これだけでも十分に価値があると思う。

成果主義の会社で働く人に質問。何でこんなに皆が認める「嫌な奴」が上に行くのだ、と思ったことはありませんか?成果主義の勝者は、社内で力のある上司に気に入られるか否かがすべてである。数字で結果が出る営業であっても、売る商品も対象顧客も誰もが全く同じということはありえない。そういう意味で本当に客観的な指標などこの世には存在しない。過剰な成果主義は、かえって属人的かつ原始的なものだ。その意味をこの本はじっくりと解き明かしてくれる。
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20 人中、17人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 成果主義が全てではない, 2005/2/27
By 
TakahiroPE (兵庫県) - レビューをすべて見る
(VINEメンバー)   
レビュー対象商品: 虚妄の成果主義―日本型年功制復活のススメ (単行本)
最近、大企業の人事制度改革がなにかと話題を呼んでいる。勤務先もいろいろと改革をやっている真っ最中。

トヨタの人事制度の本や、富士通の成果主義導入失敗の話などを読んできたが、書いてあることについて単純に納得できるかというとそうでもなかった。今回の本は、書いている内容が理路整然としかも客観的なデータの裏づけに基づいているので、納得しながら読める。

以下は個人の見解も含まれているので、誤解などがあってもご容赦ください。

この本の著者は、欧米で産まれた成果主義という人事制度の欠点を挙げ、人はお金のためよりも、やりがいのための方がより高い成果を上げると主張している。
日本型年功制は成果を上げた人間にはよりやりがいのある仕事を与え、成果が上がらなかった人間には、成果の上がりやすい仕事を与えて上手く行くようになってから、再度難しい仕事を与えるなど継続的に雇用することを前提に、長期的な視野で評価を行えるシステムだという。
短期的な効率だけを求めるような成果主義は、衰退への一歩だとも言っている。

主張を全て受け入れるかどうかの判断は個々人のものだと思うが、著者の押し付けの論理ではない本ということで、この分野に興味のある人には是非お勧めしたい1冊となった。

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4 人中、4人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 もう成果主義は止めよう, 2009/5/17
By 
じゃが〜 - レビューをすべて見る
(トップ500レビュアー)   
レビュー対象商品: 虚妄の成果主義―日本型年功制復活のススメ (単行本)
 この本では、外国から様々な経営手法を取り入れて次々と制度を変え続けた近年を振り返り、従来の日本型の年功制度は、どんな成果主義よりましだと言い切っている。年功序列制度ではない。年功制度である。(ただし運用面での改善は必要と言っている)
 従来の年功制度であっても、出来る人は出世し、出来ない人は閑職に行った。成果主義により社員同士が疑心暗鬼になることもなく、チームワークと未来への希望を重要とする年功制の方が優れていると説く。
 ただし、現状では出来る人間がより希望を抱けるポストがないとか、給料が上がる保証がない、給料が安いから問題が起こる、など様々な反論があるのは承知している。
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