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藤田嗣治「異邦人」の生涯 (講談社文庫)
 
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藤田嗣治「異邦人」の生涯 (講談社文庫) [文庫]

近藤 史人
5つ星のうち 4.0  レビューをすべて見る (25件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

第34回(2003年) 大宅壮一ノンフィクション賞受賞

出版社/著者からの内容紹介

私が日本を捨てたのではない。日本に捨てられたのだ

日本近代美術史最大のタブーに挑む傑作評伝!

華麗な伝説に彩られたエコール・ド・パリの寵児は、帰国後なぜ「戦争画のスター」となったのか? 戦後フランスに帰化し、二度と日本に帰らなかったのはなぜか? 独創的芸術の変遷、苛酷な運命、そして魂の彷徨。未公開資料を駆使して「巨匠の真実」に迫る!

私の体は日本で成長し、私の絵はフランスで成長した。(中略)
今や私は日本とフランスに故郷を持つ国際人になってしまった。私には2カ国ながら懐かしいふるさとだ。私はフランスにどこまでも日本人として完成すべく努力したい。私は世界に日本人として生きたいと願う。それはまた、世界人として日本に生きることにもなるだろうと思う。
―藤田嗣治、40代のことば―
--このテキストは、絶版本またはこのタイトルには設定されていない版型に関連付けられています。

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By TaroTaro トップ500レビュアー
形式:文庫
 私が藤田嗣治について知っていたのは、フランスで最も有名な日本人画家であり最後はフランスに帰化したこと、数点の作品を目にする機会があったこと、そしてその独特の風貌くらいであった。当然、日本での評価も高いものだと思っていた。

 しかし、それは間違いであった。

 藤田は、国威高揚のためとして戦争画を描いていた戦中の一時期を除いて、日本では殆ど評価されていなかった。戦後フランスに帰化したのも結局は戦争画を描いたことが原因であり、本人が望んだことではなかった。彼に対する批判は、奇矯なものも含め彼のとった様々な行動に関するのものが殆どであった。作品中に引用されている当時の文章からもそれが伺える。誹謗中傷に近い内容も多い。

 藤田はそれらの批判に対して公には反論をしないまま亡くなってしまった。フランスに帰化したのも反論ではなく「日本に捨てられた」と言っているのである。

 著者はこの作品を、藤田の死後彼の作品の貸出すことも許可せず外部に頑なな態度を取り続けていた妻の協力、彼女の協力によって見ることが出来た資料、そして藤田が自ら添削したある美術評論家が書いた伝記原稿を基にして、今まで知られていなかった藤田の姿を描き出そうとしている。

 この作品に不満があるとすれば二点。取材が藤田の側に立つ人物に偏っていること、藤田の姿を伝えるのに妻の証言に頼りすぎていて、「評」伝であるにも拘らず著者により形づくられた藤田嗣治の姿が見えてこないことである。

 しかし、等身大の藤田の実像に迫る力作であることは間違いない。

 

 
このレビューは参考になりましたか?
16 人中、14人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By カスタマー
形式:単行本
藤田自身の生涯を人間関係(ピカソ、モディリアーニ等有名な画家も多い)、時代背景もかなり忠実に表現することで目の前にその時代が現れたかのようで、ぐいぐい引き込まれてしまった。特にタブーで表現しづらい戦争画を描いた時期の記述に対してもページを割いていたところも好印象である。藤田を知っていてもいなくても、ひとつの歴史ものとしても面白いと思う。今後、戦争画の公開を切に望む。
このレビューは参考になりましたか?
5 人中、5人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:文庫
自分と異なる風貌や言動に対して拒絶したくなる気持ちは誰にでもあります。民族や地域と関係なしに人間がもつ本能だと思う。でも日本は寛容度がちょっと低いかもしれない。

藤田嗣治の変わった風貌や言動はかなりの抵抗感を与えたに違いない。現代でさえ、東京以外の町を彼が歩いていたら振り返ってしまうかもしれない。藤田夫人の証言に基づいた伝記なので、多少とも良いほうにバイアスがかかっているでしょう(感情移入のない伝記はないですが)。でも、死ぬまで作品制作に没頭した画家としての生き様のみで十分じゃないかと思うのです。他に何を要求すべきだったのでしょうか?

多くのフランス人形が取り囲むベッド、和風のアトリエ、晩年に多く書かれた生を感じない子供の絵。彼の寂しさが伝わってきます。本書の最後に出てくる遺品に関するエピソードもなかなか深い読後感を残します(ちょっとできすぎですが)。乳白色の肌でパリの花形画家に躍り出た時代、戦中の日本での時代、その後のパリでの生活、そして晩年。この本を読んでから絵をみると、また違った感動が押し寄せてきます。
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本の評価
あくまで本の評価ですが、藤田嗣治という画家に興味が持てる、おもしろいという意味で純粋に満点。... 続きを読む
投稿日: 2008/11/23 投稿者: ヒロ
早すぎた国際人。
今ちょうど没後40周年記念の展覧会をやっています。
この本を読む前と、読んだ後、2回行ってきました。... 続きを読む
投稿日: 2008/9/1 投稿者: Kuramama
「異邦人」画家の生涯を鋭く描いた力作です。
... 続きを読む
投稿日: 2007/10/15 投稿者: サトマン
藤田の劇的な生涯が再現されています。・・・何故か目が滲んでしまいました。
誰かが「日本人はあの戦争を泣きながら戦った」と表現していました。藤田の「アッツ島の玉砕」は、そうした意味で、あの戦争が日本人にとって、どのような戦争だったのか、に... 続きを読む
投稿日: 2007/10/14 投稿者: 七つ森ぽるこ
夏堀全弘『 藤田嗣治芸術試論−藤田嗣治直話− 』との比較
単行本についで文庫もあったのですね。確かに番組はすばらしいですし,藤田嗣治の語りも面白いです。語りかけられた内容に含蓄があります。特に戦争画に興味がある私にとって... 続きを読む
投稿日: 2006/9/22 投稿者: sun
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