著者である藤沢久美は、1996年に自ら友人と日本初の投資信託評価会社「アイフィス」を設立し、その後米スタンダード&プアーズに営業権を売却、現在はソフィアバンクでシニア・プロデューサーとしてセミナー、テレビ、雑誌、インターネットなどさまざまな媒体を通じて投資信託の普及活動をしている。それゆえか、本書のつくりは話を聞いているかのような丁寧な言い回しで、身近な話題を豊富に使って説明している。たとえば、投資信託で損をすることを宝くじで外れることと比較したり、リスク管理を風邪の予防にたとえたり、経済の波を人間の欲で説明したりというように。 本書は3章で構成されており、第1章「思想」では、投資信託のメリット、どのような目的で使ったらいいのか、リスクの考え方などが詳しく説明されている。
第2章は投資信託のプロ4人との対談集である。オンライン証券の草分け、マネックス証券代表取締役松本大、ジャーディンフレミング投信で200億円のファンドを2800億円にまで成長させた藤野英人、世界的な投資銀行ピクテ銀行の日本法人で19年間代表をつとめた澤上篤人、税理士でありFPでもある立場からさまざまなライフプランを提唱する伊藤宏一が登場する。それぞれ違う立場から分析やアドバイスがなされており、大変参考になる。
そして第3章は「実践」編である。ファンドにはどのような種類があるのか、どのように購入するのかといった基本的なことから、手数料や税金について、純資産総額、受益証券、信託報酬といった専門用語の解説、ファンドの見極め方、運用実績の見方、購入のタイミングなどかなり踏み込んだ解説がされており、ポイントをしぼった的確なアドバイスがなされている。
投資信託は運用をプロに任せるため、どのファンドを選ぶかが重要なポイントとなる。運用会社のネームバリューに惑わされたり、販売員の言われるままに購入したりするのではなく、自分でファンドを見極めるための知識を本書で身につけてほしい。(大角智美)
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