若き日のF先生が放った力任せの傑作。のちにTVアニメ化された際にはほとんど別物のアレンジで毒を抜かれたが、本来はたいへんな劇物。心してお読みください。
連載は「ぼくらマガジン」誌で1969年から70年にかけて展開された。前作『21エモン』がイマイチ人気を得られず不完全燃焼のまま終わってしまった悔しさをぶつけるかのように「宇宙へ家出する主人公とケンカ友達のエイリアン&ロボ」といういきなり過激な道具立てでスタート。宇宙の星々を行き当たりばったりに経巡るアナーキーな旅を描いた。
特筆すべきは行く先々で出会うイベントの過激さで、「不死と引き替えに人生の目的を失い倦み疲れた星で、究極のスリルとして演じる自殺パフォーマンス」といったエピソードが次々と繰り広げられる。SF仕込みのシニカルな目を持つ作者が、その知性と理性を蹴転がすかのように突っ走る勢いあふれる展開。描線にも力がみなぎり、とにかくあらゆる意味で濃く、苦く、熱い。そしてもちろん最ッ高におかしい!
F先生を安全無害なマンガ家とあなどったら大間違いだ。とにかく読んでごらんなさい。一生忘れられないから。