既に長期連載になっているドラえもんですが、マンネリにはならないような要素が組み込まれ飽きさせません。印象に残ったエピソードを幾つかピックアップします。
「無人島の大怪物」
7巻でもそうでしたが、この巻もレギュラー陣の裸が多めに出てきます。その極めつけがこれで、しずちゃんがのび太、スネ夫、ジャイアンの全裸姿を立て続けに見る羽目になってしまうというセクハラ展開(笑)がすごくて、ドラえもんの道具の効果の面白さ云々がふっとんでしまうくらいです。
「なぜか劇がメチャクチャに」
のび太の執念のような欲望に思わずニヤニヤしてしまう面白エピソードです。
また、このエピソードは「ちびくろサンボ」バージョンと「人魚姫」バージョンの双方が掲載されています。
日本では一時期、黒人をモチーフにしたキャラクターをマンガに登場させたり商標にすることが避けられていたため、藤子先生の作品群もその煽りを受けて、改変・公開自粛がなされてしまいました。
3巻や5巻のレビューで言及されている方もいらっしゃいましたが、大全集には必ずしも雑誌初掲載時のままが収録されているわけではありません。しかし本エピソードでは規制の基準も変わり、原型の方も読めるようになりました。改変前と改変後のどちらも違和感なく楽しめる内容になっていたのが、怪我の巧名とでもいったところでしょうか。
「ハッピーバースデイ・ジャイアン」
自分の誕生日を祝ってほしいジャイアンがドラえもんに相談するという内容。ドラえもんが、ジャイアンの日頃の行いをたしなめつつ、道具を使って手助けする、と、のび太と同等の扱いをしているところに、長期連載による人間関係の変化を感じさせられます。
「超リアル・ジオラマ作戦」
ストーリー自体はスネ夫とのび太がどちらが優れたジオラマ写真を撮れるかと張り合って、ドラえもんの道具を有効活用したのび太が勝つというだけなのですが、本エピソードでの見所は、厳しくも熱いスネ吉兄さんのジオラマ講座です。この回に関しては、スネ夫は親の財力に頼っただけではなく、自分の努力による結果を残した上での自慢なので個人的にはスネ夫に軍配を上げたかったところですね。