私は今まで全く舞台演劇を観たことのない演劇初心者でした。だからこのDVDを買う時にも「実際舞台を観に行ったら5000円くらいはするはず…(面白くなくて)失敗してもチケットを買ったと思えば…。」と恐る恐る手を伸ばしたのでした(笑)
実際観てみると、最初は全体的に漂う妖しげな雰囲気に???と戸惑いましたが、テンポ良く次から次へと飛び出してくる演出の数々に圧倒されてしまいました。役者さんの台詞や動きが音楽と合っていたり、バックに流れる歌で状況説明をしていたりと音楽との一体感があり、「テンポがいい!」と感じたのもこのことが要因になったのでしょう。この舞台はミュージカルではありませんが、まるでミュージカルを見たような気分になりました。
妖しげな演出、妖しげな音楽によって独特の身毒丸ワールドが形成されていましたが、もう一つ忘れていけないのが役者さんのかもし出す雰囲気でした。白石加代子さんは最初「怖い」と感じてしまったのですが、彼女の母としての暖かさと、女として苦悩する妖しさがこの舞台を支えていたといっても過言ではありません。それに対峙する藤原竜也さんも、幼いのにどこか艶っぽい、奥深くに激しさを秘めた少年を見事に演じたと思います。二人の演技がうまく化学反応し、身毒丸の世界観は確立されていました。
この舞台を見た後、色々な演劇をみるようになりましたが、未だにこの演劇が素晴らしかったという気持ちは薄れませんし、失敗どころか、価値がこのDVDにはあったと思っています。