すでに英語が得意で、英単語もたくさん暗記している人は、この本に薬袋さん一流の鋭い単語分析を期待するのだろうが、この本はそういう趣旨の本ではない。英単語がどうしても覚えられず、困り果てている人にこうすれば最低限の単語は頭に定着しますよ、という究極の方法を教えているのだ。私は、この本の真骨頂はPart 1の英単語暗記法編にあると思う。暗記に困っている人の心理を精密に分析し、そういう人でも無理なく暗記を進めていけるプラグマティックな方法を展開している。実際、私は10年以上前に某予備校の講演会で薬袋さんからこの方法を教わり、初めて挫折しないで単語集を暗記できた経験がある。
多分、薬袋さんは、精緻な単語分析や、科学的(と称する)単語配列などは、英語が苦手で単語が覚えられない人には何の意味もないことを、長年の受験指導の経験から知り尽くしているのだろう。
もう英語ができるようになってしまった人が、現在の自分の水準から安易にこの本を批判して、本当にこの本を必要としている人からこの名著を遠ざける結果になることを恐れる。
むしろ、私は、このような本もあえて世に問う薬袋さんのふところの広さに感銘を受けました。
この本は、英語リーディングの真実や英文精読講義とは違う意味で、多くの人を救うすばらしい本だと思います。