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受付をする女性が主人公だ。登場する人物は少ないが、謎めいた雰囲気がひきつけられる。思い出の品を標本にするといっても様々で人それぞれで他人にとっては何も価値の無い様なものでも本人にとっては値がつけられないものもあり、それを標本にしていつまでも保存しておきたいという心情はわかる。主人公の女性の目を通して語られるその日常もリアルな人間像があるようで面白かった。彼女のせつない恋の気持ちの揺れも伝わってきてまたいっそうせつなく、ラストはよりこちらの想像力を刺激され、軽い衝撃もあった。
後、一編の「六角形の小部屋」も謎めいた雰囲気と堅実な空気がありぐいぐいひきこまれた。恋愛中か後期の気持ちの変化、言い表しにくい相手に対する熱情は反対の気持ちが生まれる箇所が印象深い。不思議な六角形の小部屋について書くと話の興をそいでしまうので書かないが、こんな小部屋、世の中にありそうだけど鈍感な自分には気が付かないだけかもとも思えた。こちらも登場人物は少ないが謎めいたご婦人やら老婦人など著者はどんな年齢層の方もどこか気になる人間像として描かれる筆力があると思った。「六角形の小部屋」の読後は穏やかな安心感があった。
とにかく面白い一冊です。
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