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20 人中、19人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
醒めない夢を見ているような・・・,
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レビュー対象商品: 薬指の標本 (新潮文庫) (文庫)
「薬指の標本」という題にひかれて手にしました。そこに描かれる元女子用アパートメントを買いきった標本室という不思議な切り取られたような空間。どこといって特徴の無い、不可思議な魅力に溢れた技術士は夢のなかで誰もが一度は出会っているような「異性」の象徴のようでもあります。自由を望む反面どこかで圧倒的な力に閉じ込められたいと思う心理をくすぐられました。醒めない夢の中に閉じ込められるような魅力に溢れた短い時間を味わえます。
23 人中、21人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
いいもの読ませていただきました,
By abd (japan) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 薬指の標本 (新潮文庫) (文庫)
「薬指の標本」のほうがいつまでも糸を引くような感触を残す読後でした。ひそやかな文体から常に頭の中に映像が浮かぶのですが すっかり古びて、乾燥し、殆んど清潔にさえ見える廃墟がハイビジョンカメラで 細部までじっくりなめるように映されていくような… はっきりした映像が浮かぶ、という点ではリアルなのですが 実際のところは幻想的なホラーに近いと思います。標本技術士は「コレクター」ですね。 標本が自ら標本化されたがるという点は異なりますが。 読み終わって表紙を改めて見ると、椅子の足のようなモノに靴が履かせてある!ぞぞ。
6 人中、6人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
非現実的なようで堅実な空気の世界が面白い,
By すみん (大阪府) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 薬指の標本 (新潮文庫) (文庫)
この本に流れるどこか不思議な非現実的なようで堅実な空気は魅力的だった。思い出の品を標本にする仕事をする小さな作業所か会社が舞台でそこで受付をする女性が主人公だ。登場する人物は少ないが、謎めいた雰囲気がひきつけられる。思い出の品を標本にするといっても様々で人それぞれで他人にとっては何も価値の無い様なものでも本人にとっては値がつけられないものもあり、それを標本にしていつまでも保存しておきたいという心情はわかる。主人公の女性の目を通して語られるその日常もリアルな人間像があるようで面白かった。彼女のせつない恋の気持ちの揺れも伝わってきてまたいっそうせつなく、ラストはよりこちらの想像力を刺激され、軽い衝撃もあった。 後、一編の「六角形の小部屋」も謎めいた雰囲気と堅実な空気がありぐいぐいひきこまれた。恋愛中か後期の気持ちの変化、言い表しにくい相手に対する熱情は反対の気持ちが生まれる箇所が印象深い。不思議な六角形の小部屋について書くと話の興をそいでしまうので書かないが、こんな小部屋、世の中にありそうだけど鈍感な自分には気が付かないだけかもとも思えた。こちらも登場人物は少ないが謎めいたご婦人やら老婦人など著者はどんな年齢層の方もどこか気になる人間像として描かれる筆力があると思った。「六角形の小部屋」の読後は穏やかな安心感があった。
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