「競争力の低迷や倫理の乱れなど、困難な状況にある現代ならばこそ、同じく困難に直面していた先人達の考え方や行動に学ぶべきである。」これが本書のメッセージだ。
学ぶ先人として、西郷隆盛、大久保利通、島津斉彬はあまりにも偉大だが、彼らもまた先人や偉人に学び業績をあげたのだと思う。斉彬公の「西洋人も人なり、薩摩人も同じく人なり、ますます研究に励むべし」という言葉が印象深い。さらに、豊富な歴史的資料や参考文献を織り込むことで、先人達の考え方や行動が、より鮮明になっていると評価できる。
また、本書では薩摩土着の文化や教育制度も紹介されている。日経新聞の電子版において「地域活性化の鍵は、その地域特有の文化を発信することにある。」との論説が掲載されており、文化情報の発信による地域活性化という観点でも本書の発行は意義深い。つまり、本書の意義は薩摩限定ではなく、全国どの地域でも共通だと解釈できる。地道な地元研究が実を結ぶことを期待したい。