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薔薇密室
 
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薔薇密室 (単行本)

皆川 博子 (著)
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商品の説明

出版社/著者からの内容紹介

山間の僧院に住まう、1人の男。繰り返される禁断の実験。
物語が歴史を凌駕する。驚愕の書き下ろし長編小説
ドイツ・ポーランド国境に、人知れず建つ古びた僧院。そこは、咲き乱れる薔薇に閉ざされた狂気の世界だった。やがて外界は第二次大戦の波に呑まれ、僧院は接収されるが
現と夢幻のあわいを貫く物語が、歴史をも従えて迸る。待望の書き下ろし。



内容(「BOOK」データベースより)

ドイツ・ポーランド国境に、人知れず建つ古びた僧院。そこは、咲き乱れる薔薇に閉ざされた狂気の世界だった。やがて外界は第二次大戦の波に呑まれ、僧院は接収されるが―。現と夢幻のあわいを貫く物語が、歴史をも従えて迸る。

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5つ星のうち 5.0 耽美の殿堂、物語の魔力, 2004/11/28
まず、外界との交流を絶った僧院の中で、薔薇と美青年を融合させる禁断の実験が行われている様を描く「コンラートの手記」が提示される。その後、梅毒スピロヘータの実験材料にされる元男娼と、ドイツに迫害されるポーランド人姉妹の妹の2人が、2度の大戦を背景としたナチの台頭と秘密実験のありようを交代で語る。やがて2人の語り手の人生が「コンラートの手記」をめぐって交錯する。古希を超えて、脅威の筆力である。耽美系の大御所では、谷崎潤一郎も70歳で「鍵」、75歳で「瘋癲老人日記」を著しているが、これほどの長編ではなかった。「死の泉」の冷徹さと比べると、ラストも含めて温かみを感じる。耽美・幻想世界に惹かれる方にお奨めしたいが、557頁と長く幻惑的な作品なので、読む時間をたっぷりとりたい。
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5 人中、5人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0 語りのチカラ, 2005/12/13
逃げ込んだ僧院で、瀕死の想い人を生き延びさせたいという願望から僧院の主の博士の実験に協力する男。その倒錯した語り口調は一旦途切れ、語り手は第一次大戦下のポーランドの少女に移る。日に日に悪化する戦況の中、彼女はある少年と出会う。ポーランド人であるがゆえにドイツから不当な扱いを受け、次第に彼女の家族も切迫してゆき…。

唐突に中断され、挿入されるエピソードの数々。
一体語り手は誰なのか、どこまでが創作なのか、「真実」はどこにあるのか?
史実と巧妙に絡められて紡がれる物語は思いがけない方向に向かう。
そして作品全体を貫くのが、「物語を必要とするのは不幸な人間である」という言葉。
歴史小説でありながらそうではない、と感じました。そして、もっと美に傾倒したような物語だと思っていた予想も、良い方向に裏切られました。
そして物語というものの持つ魔力にとりつかれた読者は、文字通り作者の手の平の上で踊らされる他はなく、その構成の妙といったら見事というしかなく。
私が今更言うようなことではないですが、本当にすごい作家さんなんだなと思いました。
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31 人中、1人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 1.0 実は未消化?, 2006/3/26
複雑な構成、語り手さえも自分が誰なのか認識できなくなる危うさが読者にも感染してきそうな味わいは評価。ま、後半それはマンネリ化してきて展開まるわかり、すぐ慣れますが。

死、薔薇、男娼、狂気、ナチといった頽廃耽美趣味→それを上回るネガティブイメージの累積に完全に埋もれてしまって、結果的に単なる醜いもののてんこもりに堕してます。
辛酸の中でも「善」を捨てようとしなかった登場人物に用意された幸せ→そういう話ではないと知りつつ、どうでもいいような結末に納得はゆかず。
ぺダンティックなまでに書き込まれた背景→矛盾が生じると幻想(それも薬物・脳梅のどっちかにキマリ)でかわされてしまう展開。それが何度も来るので読みながらツッコミたくなるほど。

読後感としては非常に後味悪かったです。いろいろ盛り込もうとして未消化なまま放っぽりだした感も強く、どこを楽しめばいいかも不明。

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