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15 人中、14人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
『真面目でも、「薔薇」という文字にピピッとした方でも』,
By 林縦勝 (千葉県) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 薔薇十字の覚醒―隠されたヨーロッパ精神史 (単行本)
本書は1614年に『名声』というパンフレットによって、ヨーロッパ思潮の表面に自ら名乗り出た『薔薇十字団』について、フランセス・イエィツ女史が、歴史家としての観点より記した書物である。この団体は、現在でも模倣者が出るほどの人気と、神秘主義者やその愛好家には、たまらないイマージュを与えつづけているが、小生のレヴュー『魔術的ルネサンス』で記したように、女史はこの時代の「希薄と考えられている精神史」を解明しようとしている。さて本書の構造は、(1)事件・事実のピックアップ(2)解釈(3)主張のまとめ、という要素からなり、まとめの役割を与えられている第16章まで、(1)と(2)を順次繰り返す。構成としては、ジェームズ一世の王女エリザベス(1596-1662)とフリードリヒ五世(1590-1632)の結婚という、二国間の連合構想という視点から、ハイデルベルク(独)宮廷の文化環境へと切り込み、「薔薇十字」文書と背景の考察、ヨーロッパ各地への波及、そしてまとめへと一気に流れてゆく。論証を支え、批判的検討に耐えると思われる原注・訳注・図版・文献・系図・年譜も示されている。 小生のレヴューする書物は、先のイマージュを抱く方には余りお勧めできないものばかりだが、本書は異なる。女史の書物はいずれも推理小説のように読みやすく、刺激的なのが持ち味だが、特に本書は、先ごろベストセラーとなった『ダ・ヴィンチ・コード』(D・ブラウン著)に興奮した方などに一層楽しめるにちがいない。楽しむヒントは、引用書の「下巻にある人物リストを覚えておく」。また生粋の愛好者には、『名声』の全文が付されている点にくすぐられるのではないだろうか。小生は、ヨーロッパ知識人のネットワークについて獲られる点が多かった。 ともかく、女史の研究、対象とした時代、さらにこの運動と運動発生環境等いずれかに興味を持つ方には、良い書物だ。
12 人中、9人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
薔薇十字団の熱狂とは?,
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レビュー対象商品: 薔薇十字の覚醒―隠されたヨーロッパ精神史 (単行本)
中世ヨーロッパを熱狂させた「薔薇十字団」とは?そんな疑問を彼女はこの本で回答しよう、と試みているのではないか。 彼女の薔薇十字団への心酔ぶりは痛み入った。また、学者らしく、薔薇十字の起源から、民衆の熱狂、さらに衰退までを同じモチベーションで書かれている。とくにフランスと薔薇十字団の関連、フリーメーソンと薔薇十字団についての章は個人的には気に入っている。 図版は基本的(有名)なものが収録されている。 付録として、「信仰告白」および「名声」が付いているのも何気にうれしい。
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