当初はぶんか社のホラー誌「ホラーM」に現在は同誌から分派した隔月刊ホラーアンソロジー「トカゲ」誌上で連載されている漫画です。
レディースコミック界の巨匠である矢萩氏の作風は現在販売されている漫画の中でもその華麗さと淫虐さで抜きんでており、貴族・ヴァンパイヤの耽美的な描写と、彼らに翻弄される部下や民草の「串刺し・眼球抉り」は当たり前な被虐描写、そして所々現れるキッチュな脇役達(拷問史ジャックや傭兵くずれの死刑囚)とのギャップには只ならぬ物が御座います。
連載誌で凄惨な描写の覇を競っていた三条友美氏より華麗かつストーリー重視な本作は従来の中世吸血鬼物に「ドリアングレイの肖像」の設定を組み込んで居り、残虐さに芸術至上・唯美主義的なテーマが加わってさらに濃厚な世界を作り出して居るのです。
女性誌的な残酷さに不慣れな方も一度矢萩さんの過剰な作品には触れてみては如何でしょうか。きっと一部の方は病み付きに為ると思います。