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蕩尽王、パリをゆく―薩摩治郎八伝 (新潮選書)
 
 

蕩尽王、パリをゆく―薩摩治郎八伝 (新潮選書) [単行本]

鹿島 茂
5つ星のうち 4.5  レビューをすべて見る (2件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

昭和初期、正真正銘の「セレブ」として、パリの社交界で輝いていた日本人がいた。木綿で巨利を得た貿易商の家に生まれ、ロンドン留学。全盛期のパリに移り、イザドラ・ダンカン、ラヴェル、藤田嗣治ら著名文化人と交流し、千代子夫人のファッションはパリ中の注目の的。さらに、フランス政府にパリ日本館の建設費まで寄贈した「東洋のロックフェラー」一代記。

登録情報

  • 単行本: 349ページ
  • 出版社: 新潮社 (2011/11)
  • ISBN-10: 4106036932
  • ISBN-13: 978-4106036934
  • 発売日: 2011/11
  • 商品の寸法: 19.8 x 13.4 x 2.8 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.5  レビューをすべて見る (2件のカスタマーレビュー)
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主人公の著作の一覧表は添付してあるが、「伝記」なので年表ぐらいついていると良かったかな・・というので星4個だけど、内容は十分におもしろい。

祖父、父と営々と蓄財してきたのを孫が湯水のように使ってしまうのはよくある話だけど、まあ、カジノで一気にすってしまうのに比べれば、パリの大学都市の日本館(今も現役)を残したり、藤田のパトロンになったり、英仏ほか欧米の多くの文化人と交流があったり(多くの女性と浮名を流したり)で、「バロン薩摩」の名を轟かせたのは一種の国威発揚ですばらしいですね・・。今の価値で数百億円の散財だそうだ!!

鹿島さんはお手のもののパリが舞台なので、往時の煌めくような都の姿が活写されている。しかし、日本の華族、や貴族(殿様の末裔)たちも大挙してパリ、ロンドンで豪遊していたようで、ずいぶん景気のいい時代もあったんですね・・。

薩摩氏の著作の内容の矛盾する箇所をその当時つきあいのあった他の日本人の著作で検証するなど多くの文献を検証して行く作業はさすがに手慣れたものです。 
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By ネモ トップ100レビュアー
薩摩治郎八の人生は簡単に言ってしまうと、大金持ちの三代目が散財しただけなのだが、どこか“爽やか”さを感じてきた。

本書の刊行に先行して、2009年に『「バロン・サツマ」と呼ばれた男』、2010年には『薩摩治郎八』が刊行されているが、両方とも未読なので比較はできない。著者は本書の「あとがき」で、両書とも「篤実な伝記」と評価している。

本書の特色は、治郎八にまつわる伝説、T・E・ロレンスとの出会いや外人部隊入隊などについて、徹底した検証を行っていることだろう。同時代の日記などを含め、様々な文献に当たって傍証を得て、著者としての結論を導き出している。
また、最終章の「わが青春に悔いなし」がとても素晴らしい。そこで、著者は、第二次世界大戦下、同盟国ドイツの敵国であるフランスへの「帰国」こそ、治郎八の「偉大」さだ主張している。そして、こういった行動こそが、“爽やかさ”というイメージを治郎八に感じる根源だと思える。母国と同じぐらい、もしくはそれ以上に外国に深くかかわり、深く愛した、治郎八の生涯は羨ましい限りである。
治郎八は、近・現代を通じてほとんどの日本人が持ち得なかった“価値観”を持った稀有な人物であったようだ。
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