内容紹介
コミック「そばもん」監修者で有楽町「更級」4代目である著者が、
自らの経験と豊富な知識をもとにまとめた「江戸の味」の極意。
現在の料理界における「つゆ」の位置づけなどのウンチクから、
「つゆ」づくりの基本といった企業秘密まで暴露している。
そば好きもそうでない人も、一度読んだらそばが食べたくなること請け合い。
江戸の味文化を継承する蕎麦つゆより
世の中が太平になると、生活に余裕が出来て、人々は周囲を見回し、
より豊かなものを求めるようになるのは、何時の時代でもかわらない。
生活が豊かになると、人々は本物、おいしいものを追い求める。
果ては、それを製造することを自分の職業にまでしてしまう風潮も生まれる。
現在、蕎麦においても、そうした熱心な新参者によって開業された蕎麦店が
数多くみることができる。
そうした店舗では、蕎麦は実においしい。
しかし、汁はいまひとつしっくりしないところがほとんどである。
しかしそれは決して材料が悪いわけではない。工夫が足りないわけでもない。
同じ材料、原価でもっとおいしいものが出来るのに、残念なことである理由は、
気の毒ながら、その店に伝統がないからなのである。
それも、現代になお江戸料理の伝統があれば、個々の店にそれがなくとも、
ある低度の蕎麦つゆが出来たであろうが、それは、殆ど断絶してしまっているために、
蕎麦つゆをこしらえようと努力しても、その手段が的外れであるためでもある。
おいしい蕎麦に合った「つゆ」をこしらえるには、江戸の味の伝統を把握することが
欠かせないのである。
それは、日本の味の文化を継承していなければ不可能であるのだともいえる。
内容(「MARC」データベースより)
江戸の味の基本は、何といっても「蕎麦」。そして、その蕎麦の味を引き立て、旨味を演出する「蕎麦つゆ」は、大事な役者である。そばに関する豊富な知識と、ユニークな語りで知られる著者が描くそばの世界。